「バリアフリー新大臣」駅の対策へ本気度は? ホームドア設置駅への拡充へ「法改正も検討」
国土交通省総合政策局と鉄道局の周囲が騒がしい。第4次安倍再改造内閣で新しい国土交通大臣に起用された公明党政調会長代理・赤羽一嘉氏(兵庫2区)の就任会見発言のせいだ。9月11日深夜0時近く「働き方改革に逆行するようで申し訳ない」と初登庁・就任会見に臨んだ赤羽氏は、次のように話した。
「バリアフリーの設備は、この20年間でそうとう進んできた。ただ、ハードの面よりソフトの部分でのバリアフリーが足りないのではないか。これはわが国での課題になる。何らかの法改正も検討しなければならない」
バリアフリーが必要なことは昭和の時代から知られていたが、公共交通を中心とする対策は進まなかった。赤羽氏は安倍首相と同じ1992年に初当選し、自身の議員活動の大きなテーマの1つとしてバリアフリーの推進を掲げてきた。
新宿駅はバリアフリーと利便性を両立
「初当選した25年前頃は、駅にエレベーターがあるところは本当に少なかった。視察にもよく行ったが、エレベーターは必ずいちばん不便なところに申し訳程度に、車いすでは乗れないような小さなものがあるのが常でした。その頃のバリアフリーは福祉政策的なところがあって、多少使い勝手が悪くても、我慢しろとまでは言わなくても、私はそういう雰囲気を感じていました」
その状況に変化をもたらすきっかけは、皮肉にも日本が直面する高齢社会だった。あと5年すると、日本の65歳以上の高齢化率は30%を超える。さらに言えば、高齢者だけの問題ではない。障害者、そして子育て世代の移動をいかにやりやすくするか、という社会全体にとってバリアフリーが不可欠になった。
例えば、JR新宿駅は東側と西側の移動が駅を迂回する形でしかできず、とても不便だ。2012年、JR東日本は2020年の完成を目途に改札エリアの外に東西自由通路を設置。今まで使われていなかった線路下の地下空間を掘削して空間を作り、コンコース階として活用する計画を発表した。同時に新たに24人乗りエレベーター4機を設置して、すべての利用者の移動のしやすさとバリアフリー化を両立させる。
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