「金正男暗殺事件」の実行犯女性が語った新事実 事件から2年7カ月、衝撃の犯行の舞台裏とは
2年7カ月前、世界を震撼させた事件
「あのことについて話すのは、これが最初で最後です。あなたたちだけに話します。もう二度と話すことはありません」
世界を震撼させた事件が起こったのは、2017年2月13日午前9時マレーシア・クアラルンプール国際空港。北朝鮮の最高指導者・金正恩委員長の兄、金正男氏が空港で猛毒のVXにより暗殺された。その実行犯として逮捕されたのは2人の女。インドネシア国籍のシティ・アイシャ、そしてベトナム国籍のドアン・ティ・フオン(当時28)。彼女たちはそれぞれ手に塗った液体を金正男氏の顔に塗りつけ、目などからVXが体内に入った金正男氏はほどなくして死亡した。
事件当日、世界中にこのニュースが駆け巡ったが、背後にいたのはやはり北朝鮮だった。
「ドッキリ動画の撮影」と偽り、彼女たちを巧みに操って暗殺を実行させた北の工作員の男4人は、事件後すぐに出国。一方、“実行犯”のフオンとアイシャは逮捕・起訴され殺人の罪に問われた。
「いたずらだと思っていた」「暗殺だなんて知らなかった」。無実を訴えた2人の映像が世界中に流されたが、北の工作員が関与している事件で誰もが「そんなはずはない」「きっと訓練された工作員の女性に違いない」などさまざまな臆測が流れた。有罪となれば死刑の可能性も取りざたされた2人だが、その後アイシャは釈放、フオンは起訴内容が殺人から傷害罪に代わり刑期を終えて2019年5月、出所し故郷のベトナムへと帰った。
メディアの前から姿を消した2人はその後、事件について語ることは一切なかった。
今回、今までメディアに対し沈黙を守り続けていたドアン・ティ・フオンにフジテレビは接触。数カ月に及ぶ交渉の末に世界で初めて最初で最後のインタビューに成功した。世界に衝撃を与え、数多くの謎を残した金正男暗殺事件。犯罪とは無縁だった普通の女性が暗殺の実行犯へと仕立て上げられていく……。
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