「金正男暗殺事件」の実行犯女性が語った新事実 事件から2年7カ月、衝撃の犯行の舞台裏とは
Q:劇場での撮影時、ほかに人はいましたか?
A:いました。撮影が終わると見た目が高齢で韓国人だという会社のディレクターと名乗る人物がいました。彼は英語を話せませんでした。
ミスターYと彼と私で一緒にコーヒーを飲みに行き、そしてカラオケに行って、お酒を飲んで、楽しい雰囲気でした。そうやってまた動画の練習をする。練習はいろんなところでしました。
Q:大事な動画だと言った?
A:この動画は大切だと。そしてYouTubeに載せると。
事件当日「手を出すとクリームを私の手のひらに…」
そしてフオンはミスターYらと一緒に「イタズラ動画を撮影する」ためにマレーシア・クアラルンプールへと向かう。ミスターYはそこで彼女に「共犯者」の説明をしたという。のちに一緒に逮捕されることとなるインドネシア国籍のシティ・アイシャだ。
Q:共犯者のアイシャについては?
A:ミスターYは私みたいな新しい俳優と女優が来ると説明しました。誰かはわかりませんでした。聞いても事前にわかるとイタズラ動画で不自然だ、と。彼は、より自然なサプライズを仕掛けたかったんです。
Q:手に塗った液体について説明はあった?
A:彼は私に「手を出して」と言いました。手を出すとクリームのようなものを直接私の手のひらに塗りました。
Q:金正男について知っていた?
A:知りません。ミスターYは「俳優が来る。彼もいたずらをされることはわかっているから大丈夫」だと言ったんです。
Q:犯行以降、ニュースは見た?
A:見ていません。
Q:どうやって死亡したことを知った?
A:捜査で知りました。
Q:どのように捜査が行われたんですか?
A:部屋で尋問を受けました、普通の質問です。逮捕されればみんな同じことをされるでしょう。部屋に連れていき尋問される。話せません。複雑なんです。答えられません。警官ですし。でもたくさん聞かれました。何を聞かれたかは覚えていません。何回マレーシアに来たか。いつから動画を撮影し始めたか。ミスターYについて。会社について。私の仕事など多くの質問です。
――2カ月前までは何気ない日常を送っていたはずの普通の女性が、世界中を震撼させる暗殺犯に……。
世界中のマスコミから追い回され仕事に就くこともできず、住む場所を転々とする毎日を送っている。彼女は常人では理解できないほどの不安と恐怖を抱えて生活していた……。
普通の女性を暗殺犯に仕立て上げる北朝鮮の恐るべき計画。それに翻弄されたフオンは最後にこう語った。
「みなさんに伝えたいことは、謝罪と感謝です。何回も何回も話したくありません。フジテレビに話すことで、最初で最後になります。もう長くなりましたし、覚えていることと忘れていること。どれだけつらい人生を送ってきたか。みなさんが理解してくれることを望みます」
(文中一部敬称略)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら