資生堂が女子ゴルフ大会開催に注力するワケ 今の女子プロは渋野日向子人気が過熱

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主催者になった理由については、「プロスポーツ組織としてLPGAの体制がしっかりしており、前会長の樋口久子さんの選手への教育もよく、お客様のプロアマ(プロゴルファーが大会のゲストをもてなす場)に対する評価も高いことが今回女子トーナメントの主催者になった1つの理由です」と話す。

日焼け止めのアネッサブランドを通じて、紫外線の肌への影響を啓発して、紫外線の中でもスポーツを楽しみ、男女を問わず使ってもらうこと意識し、女子ゴルフを主催することを決断したという。アネッサの日焼け止めは国内市場で18年連続売り上げシェアNO.1(インテージ SRI 日やけ止め市場 データ期間:2000年11月~2018年10月)。このアネッサはゴルフ以外の選手とも契約している。女子テニスの大坂なおみ選手、カヌースラロームの羽根田卓也選手、パラ陸上競技の重本沙絵選手などだ。

魚谷社長と優勝した渋野プロ(筆者撮影)

資生堂のトップである魚谷正彦社長もゴルフに対する造詣が深いことで知られる。魚谷社長は資生堂アネッサレディスの大会会長に就任しており、競技だけでなくゴルフがコミュニケーションにも役立つとの理解があることも、大会主催のサポートになっている。

「実際に主催してみて、前夜祭からメディアを含め注目を浴び、プロアマに参加いただいたゲスト、ギャラリーの皆さま、プロからも高評価で企業としてメリットを感じた1週間でした。

プロアマを含めて6日間の成果は、費用対効果を含めて満足している」と髙橋氏も話す。アネッサの商品もギャラリープラザで販売したところ、想定の2倍以上の売り上げがあったそうだ。荒天で一時中断するなど天候が悪かったにもかかわらず、会場の横浜・戸塚カントリー倶楽部にのべ2万4000人以上のギャラリーが来場した。

女性ゴルファーの創造にも効果がある

資生堂という、女性にとってなじみ深い企業がゴルフをサポートすることは、ゴルフ界にとっては心強い。今年のゴルフ界の大きなテーマには「女性ゴルファーの創造」が掲げられている。ゴルフに触れたことのない女性でも、資生堂がゴルフに関わることで、女性のゴルフへの接触機会が増えることにつながるといえる。

資生堂の社員女性比率は80%を超えており、社内でのゴルフへの意識が高くなることは、それだけで、「女性ゴルファーの創造」にもいい影響があるだろう。今回の大会でも140名の社員が大会運営に参加している。

渋野プロの人気はすさまじく、ギャラリーも多く押し寄せている。写真はNEC軽井沢72ゴルフトーナメントの様子(筆者撮影)

今年から資生堂企業対抗レディスゴルフトーナメントの大会もサポートしている。同社の冠大会としては、国内ではこの資生堂アネッサレディスと資生堂企業対抗レディスゴルフトーナメント(特別協賛)の2つだけだ。

初代女王の渋野日向子の活躍でゴルフ界は盛り上がりを見せている。

ゴルフに興味を持つ女性が増え、さらに女性になじみのある企業がゴルフをサポートすることで女性のゴルフ参加人口の裾野が広がることも期待できるだろう。

(文中一部敬称略)

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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