ホンダ「Nシリーズ」の安全は何が進化したのか N-BOXとインサイトの衝突実験で感じたこと

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Nシリーズ安全取材会でのプレゼンテーションの様子(写真:ホンダ)

画像で確認できるように、今回の実験では衝突後も確かに生存空間はしっかり確保されているが、例えば乗員に加わる衝撃の強さなどはどう理解すべきなのか。加害性を左右するシート形状やピラー構造などにはどんな工夫が凝らされ現在に至ったのか。全高の高いN-BOXでは側方からの衝突、いわゆる側突時の横転防止策はどう考えているのか。2003年9月発売の「ライフ」から採用されたコンパティビリティ対応ボディは、なにが、どう、どれくらい進化して、現在のN-BOXがあるのか。そしてこの先は何を高めていくのか、または高めていかなければならないのかなど、ここでも疑問は尽きない。

ミニバンやSUVだとどうなるのか

また、普通乗用車であるインサイトに対する衝突後の解説が一切なかった点も残念。Nシリーズ安全取材会なので軽自動車が主役であることは承知しているものの、コンパティビリティ対応ボディはN-BOXとインサイトの両車に通ずる設計思想であり、また両車の相乗効果で今回の結果が双方に得られている。よって、その点を現場にいた担当者にズバリ伺ったものの回答は得られなかった。

ホンダの実験施設なので取材の場としての実現は難しいかもしれないが、他メーカー車両との衝突ではどんな結果になるのか? さらには販売台数の多いミニバンやSUVは車両重量がかさみ重心位置が高い傾向にあるが、それらとの衝突ではどんな結果になるのかなど、これらついてはわれわれメディア側だけでなく、Nシリーズの購入を検討されているお客様にとっても知りたい情報の1つではないかと思える。

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【筆者追記】今後の要望としてはその筆頭に、ホンダが誇る歩行者ダミーPOLARⅢを用いた人対車両の衝突実験の取材が挙げられます。「死亡事故の類型トップ」である人対車両の事故に対して、技術者への取材を踏まえて知見を高め、今後この場でまたリポートしたいと思います。

またホンダらしさで言えば、世界初の市販車用二輪車エアバッグを搭載した大型二輪車「ゴールドウイング」のエアバッグについても言及されることがあれば、二輪/四輪/汎用メーカーらしさがさらに助長されるのではないかと考えています。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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