話がまとまる「会議で絵を描く」グラレコの凄み 最近よく聞くグラフィックレコードの基本
この手法は、1対1のブレインストーミングや、企画書やプレゼン資料の作成などにも応用できる汎用性の高いスキルともいえます。グラレコとはいったいどんな手法なのか、拙著『考えを整理する・伝える技術 グラフィックレコード』から一部抜粋し解説します。
そのメリットを最も効果的に発揮できるのは、やはり会議の場です。出席するメンバーの意見を可視化することで、参加意識を高め、より早く、誰もが理解・納得しやすい結論を導き出すアウトプットの技術でもあるのです。
以下、グラレコによって生まれる会議のメリットを5つ紹介しましょう。
文字ばかりは読む気を失う
議事録や資料など、ビジネスの現場では言語情報に偏っています。言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%という、話し手が聞き手に与える影響を数値化したメラビアンの法則を引用するまでもなく、文字ばかりの資料や板書は読む気を失わせますよね。結果、理解度や参加意識、クリエイティビティの低下を招きます。
そんなデメリットを補うのが、イラストや図を使って見える化させるグラレコなのです。イラストや図は、知的理解を超えて、感覚的に量や空間を瞬時に判断させる力を持っています。
例えば、「3人のお客様がいらっしゃいました」という表現があります。しかし、そのお客様が男性か、女性かまではこの表現からはわかりません。しかし、下のようなイラストであれば、男性なのか女性なのか、そして大人か子どもかまでを、ひと目見た瞬間に理解できます。
わざわざ「男性1名、女性1名、男の子1名のお客様」と言葉にしなくていいのです。コツさえ覚えれば、言葉にするよりもイラストや記号にしたほうが間違いなくアウトプットは早くなります。
会議では声の大きい人(いわゆる決裁権を持っていたり、物怖じせずに発言したりする人など)の意見が通りやすいものです。また、強い意見を持つファシリテーターが主導権を握り、結論ありきの進行がなされることもよくあります。
それが当たり前になっていたり、絶対的な権力者に対して誰も反対意見を言えなかったりする組織の状況というのは健全ではありません。そんな場面では、発言とその発言者の名前をホワイトボードに列記するだけでも多少の効果は見込めるでしょうが、グラフィックレコードが見える化しながら記録をとる環境をつくり出すことで、そうした問題をクリアできるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら