川邉:「何であの人があんなにもらっていて、自分はこんなに頑張っているのに」とすぐなりそうですが、それはどういうふうにしているのですか?
熊谷:それを求めているんですよ。そうしたら働かない人は、そういうふうに言われたら下がるし、言っている人は頑張れば上がるし。その「アイツが何であんなに高いんだ」という(反発を)求めているのです。
ただし、それで不満に思って辞めちゃうような仕組みではなくて、不満に思ったら、その人が頑張ればどんどん上がるという仕組みです。そこはやっぱり作り方なのですけど、細かいところを話すと1時間かかるから話さないけど。基本は給与のガラス張り。
評価が悪い人は諮問委員会に呼び出し
岡島:GMOは、週1で業績が出るんですよね。これだけグループ経営やっていて、数字もバッチリ毎週出て、その数字を見ながら目標もあって、超ガラス張りということですよね。生きにくくないのですか?
熊谷:数字じゃなかったら不安じゃないですか。普通の会社って、連結数字って翌月の末に出てきて、どうしようと対策立てて、実行していくと2カ月間遅れていくじゃないですか。僕たちは3カ月先の収益まで見通し管理しているので、通常の会社より5カ月早い。そのスピード感があるから、安心して運転していられるのですよ。
岡島:しかもそれによってアクションも変えやすいということですね。
熊谷:役員も全員360度ガラス張りで、評価がいちばん悪い人は、「来年どうするのか」ということを諮問されます。僕に諮問が来て、「あの役員どうしますか」と。
岡島:でも皆さん比較的辛辣にお書きになると伺っています。
熊谷:ものすごく辛辣に書いていますよ。僕のことも含めて。
岡島:そうすると、めちゃくちゃガラス張りになっていて、その中で評点がすごく低いということもバレバレになるわけですよね。
熊谷:もちろん誰がいちばん低いかもわかるし、誰がいちばん高いかもわかります。
岡島:そして諮問委員会に呼ばれるという。すごくつらい……。
熊谷:そのぐらいしないと、この速いインターネット社会で生き残れないですよ。
岡島:でもそういうことがあるからこそ、本当に公正ですよね。
熊谷:フェア、ガラス張り。これがいちばんで、フェアじゃない会社は滅びる。ガラス張りじゃない会社はスピードが遅い。
岡島:淀みが出ないというのは、すごくいいのかもしれないですね。
熊谷:僕はアンフェアが嫌いなので、フェア。
岡島:森川さんどう思います?