中国FCV市場で日本企業が勝ち残る「3つの条件」 2019年は中国のFCV元年、トヨタも提携拡大

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1つ目は、地方政府とリレーションを構築することだ。現在多くの地方政府は国の補助金政策に加え、FCV の生産や水素ステーションの整備を対象とした補助金政策を打ち出し、FCVの普及に向けたインフラ整備を着々と進めている。

広東省佛山市は2017年9月、中国初の商用水素ステーションを立ち上げ、2019年にはFCV路線バス2000台を投入し、水素ステーション30カ所を建設予定。上海市は2018年に同市初のFCV路線バス「嘉定114路」が運行開始し、2025年までに水素ステーションを50カ所建設し、FCV乗用車を2万台以上普及させると計画。政策に依存する面が大きいFCV関連インフラの整備では、情報源の確保、政府へのアプローチが日系企業の事業成功の鍵となっている。

技術面では日本に後れをとる中国

2つ目は、地場企業と提携することだ。地方政府がFCVを推進している中、FCVの開発については各社がしのぎを削っている。2018年、国家能源集団、中国一汽、東風汽車など大手国有企業18社を中心とする水素燃料電池産業連盟が設立され、政府主導でFCV産業の育成を図ろうとしている。現在、中国には40社超の自動車メーカーがFCV開発に参入し、2018年に計60車種を開発した。

一方、FCVの部品技術、素材、制御システムにおいては、日本と比べると中国は大きく後れている。スタックの開発に取り組んでいる新原動力は2018年に電池システムの性能を2.0kw/㍑までに引き上げたものの、トヨタ「ミライ」の60%に相当する水準にとどまっている。

水素燃料タンクの内張り材では、中国企業が金属製のタイプを利用しているのに対し、豊田合成が軽量・高強度な樹脂材料を量産している。また燃料電池の主要材料であるプロトン交換膜、触媒、気体拡散層などは輸入に依存し、地場企業のみでのFCV産業サプライチェーンの整備は容易ではない。

かかる中で、自動車部品大手の濰柴動力は、英セレス・パワーの株式20%を、カナダバラードパワーシステムズの株式19.9%をそれぞれ取得し、福建雪人がカナダのハイドロジェニックスに出資し、FCV関連技術の向上を図ろうとしている。

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