真夏の政争劇「埼玉県知事選」の奇々怪々

与野党一騎打ちでも盛り上がり欠く展開に

埼玉県知事選に出馬した青島健太氏(左)と大野元裕氏(右)(写真:共同通信)

酷暑の埼玉県が、知事選でさらに暑苦しさを増している。

16年ぶりの新人同士の争いで、自民・公明両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏と、野党統一候補である前参院議員・大野元裕氏(国民民主党を離党)の事実上の与野党一騎打ちとなったからだ。

序盤戦は青島氏が大野氏を僅差でリード

上田知事の任期満了に伴う埼玉県知事選は8月8日に告示され、25日に投開票される。立候補したのは新人5人で、届け出順に大野氏(55)、元高校教諭の武田信弘氏(65)、NHKから国民を守る党で医師の浜田聡氏(42)、元会社員の桜井志津江氏(63)、青島氏(61)=自民、公明推薦=。浜田氏以外は無所属だ。

同知事選は4期16年で退任を決めた上田知事と対立してきた自民党が青島氏を擁立。これに対し、上田氏が後継者とした大野氏を、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党が自主的に支援する構図となった。自公両党は党幹部や閣僚などを次々送り込んで組織戦を展開しているのに対し、大野陣営は上田知事が大野氏とともに街宣車に乗り込み、「上田県政」継続をアピール。政党色を薄めて保守層や無党派層の発掘に全力を挙げている。

同知事選は7月の参院選後に初めて実施される大型地方選だ。秋の臨時国会や大野氏の出馬を受けての10月27日投開票の参院埼玉選挙区補欠選挙もにらんで、与野党双方が力を入れている。公示後に報道各社が実施した投票動向調査では、青島氏が僅差で大野氏をリードしているが、首都圏で無党派・無関心層が多いため、投票率も含めて流動的要素が大きく、「勝敗は投票箱を開けるまでわからない状況」(自民選対)とされる。

しかし、与野党全面対決の割に、選挙戦は今一つ盛り上がりに欠けている。主要4野党が県組織レベルでの支援にとどめているのは、中央政界で立憲と国民が統一会派問題で厳しい調整を続けていることが背景にあり、「野党一丸とはいえない状況」(立憲幹部)だからだ。加えて、10月の補選をめぐる与野党双方の思惑が交錯していることも事態を複雑化させている。

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