「いい人が集まらない」と嘆く会社のダメ共通点

採用がうまくいかない会社の3つの理由

いい採用ができない会社に共通する3つ目の理由は、「マーケットを知らない」からです。

売れる営業は、自社やターゲットとするお客様の業界を取り巻く外部環境の変化をしっかりと押さえています。新聞や業界紙などのマスメディアの情報はもちろん、関係者からの裏情報などにつねにアンテナを張り、1次情報(=事実)をもとに、2次情報(=仮説)を持って、仕事をするのがあたりまえの基準です。

採用活動においても、つねにアンテナを張り、自社の活動に反映させていかねばなりません。

それでは、ここで問題です。「2万人」――。この人数は何を表すでしょうか? この人数は、就職情報大手のディスコが2019年1月16日に公表した調査結果により明らかになった、2019年1月1日時点で内定を得ている大学生の総数です。「1月1日ってことは、卒業まであと3カ月くらいなのに2万人しか内定が決まっていないなんて、そんなわけないだろ!」

2万人っていったい何の数字?

そう思った方もいらっしゃるかもしれません。はい、おっしゃるとおりです。卒業を3カ月後に控えた大学生(大学4年生や修士1年生)のうち、内定が決まっている学生は約39万人いました。2万人は2020年卒の学生(大学3年生・大学院修士課程1年生)の内定者の数です。

「新卒採用は、3月から広報活動開始では?」。そうですよね、現行の「経団連ルール」で広報活動が解禁されるのは3月から。そして面接が解禁されるのは4年生の6月。にもかかわらず、その1年半前に内定を得ている学生が「2万人」もいるのです。

ディスコの調査によると、2020年卒の内定率は1月1日時点で4.7%と前年同期の3.1%からアップしており、学生の就活の早期化が進んでいることを表しています。

『いい人財が集まる会社の採用の思考法』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

これは、あくまでも一例です。採用環境は年々変化し続けています。2018年10月、日本経済団体連合会(経団連)は、2021年度以降に入社する学生を対象とした採用選考に関する指針を策定しないと発表しました。その影響が今後どのように表れていくか、つねにアンテナを張り、1次情報(=事実)をもとに、2次情報(=仮説)を持って、戦略を策定していかねばなりません。

採用は、マーケティングです。マーケットから人財を供給する活動が、採用活動です。マーケットを知らない採用活動が機能しないのは至極当然のことです。マーケットにおいては、限られたパイの奪い合いが繰り広げられています。厳しさを増しています。

簡単に言ってしまえば、ちゃんとやらないと採用できないということです。今までと同じやり方を続けている限り、うまくいかないのは当然のことです。世の中の動きをもとに、抜本的な戦略を組み立て直すこと。自社の戦況をリアルタイムで捉え、戦術を柔軟に変化させること。マーケットで勝つためには、マーケットと自社の立ち位置をつねに正しく知ることが不可欠です。

拙著『いい人財が集まる会社の採用の思考法』では今回挙げた3つに、さらに2つの理由を加えた5つの理由を挙げています。

うまくいかない理由をしっかり意識する、もしくは強化することができれば、採用活動は今よりいい方向に向かうはずです。ぜひ今一度、御社の採用活動をチェックしてみてください。

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