アベノミクス相場が「8月に終わる」危険性 日経平均上昇維持の「ハードル」は高くなる
元号が令和になって早いもので3カ月が経った。昭和以降の総理大臣の在任平均日数は約630日である。国のトップが2年も持たずに政権交代を繰り返すことの多い日本だが、安倍晋三政権は違う。前回の在任日数も含めれば、8月23日には歴代2位の佐藤榮作と並ぶほか、11月19日には歴代最長の桂太郎と並ぶ2886日に到達する。もはや「最長記録更新」は確実といってよいだろう。
アベノミクス初の「日経平均24カ月線下向き」の危機
一方、アベノミクス相場は重要な攻防ライン上にある。日経平均株価が長期の株価指標である「24カ月移動平均線」を再び割り込む危機に直面しているからだ。
2013年以降に始まったアベノミクス相場では、日経平均株価が24カ月移動平均線を割り込む場面では、いずれも早期の反転が実現している。結果的に月足チャートをみれば、そうした局面が絶好の買い場として機能していたことは一目瞭然だ。
ということは、今回も素直に「買い目線」で見たいところだ。だが、移動平均線の角度が上昇から横ばいへ転じつつある点は懸念される。なぜなら移動平均線の角度が上向きならば、上昇トレンドが依然として強いと認識され、投資家による押し目買いが入りやすく、その逆なら売られやすくなるからだ。
もし、8月終値が2年前の1万9646円を上回ることができない場合、24カ月移動平均線は下向きに転じることになる。これはアベノミクス相場が始まって以来のこととなる。仮に8月をクリアしたとしても、下向きに転じないようにするには、9月は2万0356円を、さらに10月は2万2011円を上回る必要がある。しばらくは正念場が続きそうだ。
また、2012年11月の衆議院解散前後の安値(9446円)-2016年安値(1万4664円)-今年1月安値(1万9241円)を結んだ下値支持線も重要なテクニカル上のポイントだが、これは現在2万円水準にある。もしこの水準を維持していれば「日経平均は長期的な上昇トレンドを維持している」と考えてよいだろう。さらに、この約2万円は、株価純資産倍率(PBR)で理論上の解散価値を示す1倍割れが迫る水準とも重なる。
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