101系は、山岳路線の西武秩父線から都市部のラッシュ輸送まで対応できる車両として開発。台車や強力なモーター、従来車両から一新したブレーキシステムなどはのちの車両にも受け継がれ、一時期の西武のスタンダードとなった。
「ニューレッドアロー」10000系や、西武秩父線を走るボックスシートの白い車両4000系、レストラン列車「52席の至福」も、101系と同じ制御装置や台車を使っている。「主制御器などもそのまま流用しているので、その部分のメンテナンスは同じです」。101系を知ることは、西武の電車を知ることだったのだ。
101系で磨いた技術
基礎を学ぶのに適しているのは、「メカ的なところが多いから」と三島さんはいう。機器類がブラックボックス化し、ふたを開けても「プリント基板の集合体のよう」な最近の車両と比べ、101系は心臓部といえる主制御器に数多くの電気接点があるなど、目に見える機構部分が多い。
「メンテナンスの係員としては(定期検査で)3カ月に1回は機器のふたを開けるわけです。すると、機器の状態がどう変化しているかが見て取れるんです。摩耗の具合に個体差があるとか、接点の動きがちょっと悪いなとか、そういうのを肌で感じられるんですね」。故障の原因なども追いやすいといい、新人が先輩から車両整備の「勘所」を伝えるのに適しているのだ。
現在は車両事務所長として、制御装置の更新や列車無線の交換などの改造や設計に携わる三島さん。その技術を磨いたのは、やはり101系だった。
西武鉄道101系
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新101系は窓周りが窪んだ正面デザインが特徴
(記者撮影)
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3つドアの車両は西武線で101系だけになった
(記者撮影)
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西武の黄色い塗装は101系から始まった
(記者撮影)
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彫りの深いデザインの先頭部
(記者撮影)
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銀色のドアはステンレス製だ
(記者撮影)
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黄色い塗装の仲間、2000系(右)と並ぶ
(記者撮影)
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101系の台車。レッドアローなども同型だ
(記者撮影)
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床下にずらりと並んだ抵抗器
(記者撮影)
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床下にずらりと並んだ抵抗器
(記者撮影)
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3本あるブレーキの空気配管。新型車は1本だという
(記者撮影)
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ブレーキ制御装置。赤と緑の色は配管と合わせている
(記者撮影)
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心臓部といえる主制御器
(記者撮影)
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主制御器の中は接点がぎっしり並ぶ
(記者撮影)
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ブレーキなどの空気を供給する空気圧縮機。新型に交換した
(記者撮影)
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クーラーなどの電源を供給するSIV装置
(記者撮影)
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「所沢車両工場製」の銘板
(記者撮影)
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「所沢車両工場製」の銘板
(記者撮影)
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ナンバーは銀色地に黒文字。かつては黄色に黒文字だった
(記者撮影)
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乗務員室は広々として明るい
(記者撮影)
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2ハンドル式の運転台
(記者撮影)
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車内はリニューアルされ、青いシートが並ぶ
(記者撮影)
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ドアとドアの間は10人がけだ
(記者撮影)
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運転席後ろの2人席。ここが落ち着くという人もいるのでは
(記者撮影)
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この車両は1980年生まれ。2008年にリニューアル
(記者撮影)
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ドア上に取り付けられた案内装置
(記者撮影)
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水色の近江鉄道「湖風号」カラーの編成
(記者撮影)
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水色の近江鉄道「湖風号」カラーの編成
(記者撮影)
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かつての塗装を再現した黄色とベージュ塗り分けの編成
(記者撮影)
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旧型車をイメージした「赤電」塗装の編成
(記者撮影)
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伊豆箱根鉄道カラーの編成
(記者撮影)
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長年101系と関わり続けてきた三島さん
(記者撮影)
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