アスクル社長解任劇、「主謀者」は存在したのか 前社長の保身か、それとも支配株主の横暴?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アスクルの新社長には吉岡晃氏が就いた(記者撮影)

アスクルは8月2日に定時株主総会を開き、創業社長の岩田彰一郎の再任案を否決した。アスクル株を46%保有する筆頭株主のヤフーと、2位株主で11%保有するプラスが反対した。

岩田氏の続投を取締役会に具申した独立役員会(独立社外取締役による任意の指名委員会)の3人の社外取締役も同時に解任された。

少数株主を代弁する独立取締役を切り捨ててよいか

「過半数にも満たない支配株主が、100%保有している株主のように、経営トップの首をいとも簡単にすげ替えていいのか」

「気に入らないからといって、少数株主の利益の代弁者である独立取締役まで切り捨てていいのか」

日本取締役協会やコーポレート・ガバナンス・ネットワークなど、社外取締役の教育・研修を手掛ける機関はヤフーやプラスの動きを問題視している。

会社法には支配株主の権利は明記されているものの、少数株主に配慮する義務の規定がないという法制度の不備もあらわになっている。

今回の解任劇が少数株主の利益保護に向けた法改正の議論のきっかけになったのは間違いない。一方で、岩田氏解任の主謀者が誰なのかは依然闇の中だ。

次ページソフトバンクの宮内謙社長の意思を感じた
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事