火災のアスクル倉庫、何が間違っていたのか

最先端の物流センターに潜んでいた死角

2013年、稼働してまもない「ロジパーク首都圏」。まさに最先端の物流センターだった(撮影:尾形文繁)

事務用品通販大手アスクルの物流センター「ロジパーク首都圏」(埼玉県・三芳町)の火災は、2月16日の出火から5日を経た21日午後4時現在、なお鎮火していない。

同センターは、関越自動車道の所沢インターチェンジまで車で10分、公共交通機関でも東武東上線・鶴瀬駅から車で約15分の好立地にある。地上3階建て、延べ床面積7万2000平方メートルの大型センターだが、21日現在で東京ドーム1個分に相当する約4万5000平方メートルが焼失してしまった。

土地代を含め約200億円を投資

同センターはアスクルの全国に7つある物流拠点のうち、横浜などと並ぶ中核施設だ。2013年に稼働、アスクルは土地代も含めて約200億円を投じた。在庫は約7万品目を数え、首都圏だけでなく関東広域に出荷する。売り上げの拡大に伴い、失火前にはコンベアの増設も検討されていた。

記者は失火直前の2月上旬に、同センターに取材に訪れていた。1階から3階までは総延長8.5キロメートルにも及ぶコンベアが張り巡らされ、次から次へと荷物が流れてくる。

個人向けでは多種少量の商材に対応する必要がある(撮影:風間仁一郎)

驚いたのが、多種多様な製品を平然と、そして見事に仕分けしていくことだ。同センターでは法人向けのオフィス事務用品と同時に、食品や日用品など個人向けの通販商品も扱う。アスクルは2012年に個人向けの通販「LOHACO」(ロハコ)を立ち上げ、現在では売上高が約500億円に手が届くところまできた。LOHACO事業の成長は、こうした高度な物流機能が支えている。

ロジパーク首都圏では、「商品ピッキングの完全自動化」にも挑戦している。他社の物流センターでも、メーカーからの納入品を自動的に在庫として収納したり、それをピッキングして作業員の元に届ける「自動倉庫型GTP」と呼ばれる高度なシステムを導入しているところはある。だが、それでもピッキングなどには、人手がゼロになることはない。

次ページアーム型ロボットが活躍
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT