iPhone依存率が50%を切ったアップルの転換点 アップル第3四半期決算で注目すべき点は?
アップルは7月30日(アメリカ時間)、2019年第3四半期(4~6月)決算を発表した。売上高は538億ドルを記録し前年同期比1%増となり、第3四半期としては過去最高の売上高を記録、アナリストの予測を覆す好業績で着地した。
今回の決算で注目すべきは、「iPhone」「中国」の2点だ。決算自体と、発表後に行われたカンファレンスコールの内容から読み解ける、現在のアップルとは?
iPhoneについての「転換点」
アップルの今回の決算で注目すべきは、「iPhoneが売上高全体の50%を切った」ことだ。iPhoneの売上高は259億8600万ドル、前年同期比11.8%減、35億ドルの減少となった。
アップルは販売台数を公表しない形での決算発表を2019年から採用しているため、台数や平均販売価格を知ることはできない。
これまで、最大70%、平均的には60%前後の売上高をiPhoneから上げてきたアップルだったが、2019年第3四半期決算では48%にまで低下した。50%を割り込んだのは2012年以降初めてのことだ。
これまでiPhoneそのものの売上高で業績を伸ばしてきたアップルだったが、iPhoneへの依存度がここにきて急速に縮小している点は、非常に印象的に映る。しかしながらアップルは今すぐに、「iPhoneの会社」を脱却する訳ではないだろう。
2020年ともいわれる次世代通信規格5Gへの対応は、iPhone自体に高い買い替え需要を見込むことができる。加えて、5G対応のiPhoneが広がることは、アップルが力を入れている拡張現実(AR)を前提としたスマートフォン体験を急速に普及させることにもつながり、引き続きテクノロジーが牽引する役割を担っていくことになる。
ティム・クックCEOは電話会議で、iPhoneのアクティブインストールベースの成長は過去最高だと明かした。今回その数字を明らかにしなかったが、アップルプラットフォーム全体で間もなく15億台を超えるとみられており、サービス部門の成長にとって重要な成長といえる。
また、Apple StoreでのiPhoneの売り上げが復調しているとも指摘されており、「Trade In」すなわちiPhone下取り策が功を奏しているとみられる。iPhoneの下取りは1年前の5倍に上っている。
iPhoneの売上高は前年同期比で約12%減少したが、アップルの売上高全体は1%増でプラスとなった。ここ2四半期は、iPhoneの大幅な下落をカバーできず、売上高全体がマイナスに転落してきたが、そうした決算と比べると、2019年第3四半期決算は非常に明るい景色となった。
その背景には、「ウェアラブル、ホーム、その他の製品」部門が前年同期比48%増となる55億2500万ドルの売上高を上げたことがある。
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