アラフィフ夫のパート妻は150万以上稼ぐと吉 年収「103万」「130万」などの壁は取り払おう

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では、妻の収入が、社会保険に関わる106万円と130万円の壁を越えると、どうなるのか。一定規模以上の会社で働く場合、年収106万円以上で社会保険に加入することになり、妻は自分で厚生年金と会社の健康保険の保険料を納めることになります。一方で、上記の規模に該当しない会社で働くと、年収130万円を超えた時点で国民年金と国民健康保険に加入することになります。

ここで大事なのは、国民年金・国民健康保険と、厚生年金・会社の健康保険との大きな違いを理解しておくことです。

厚生年金に加入して働くと、自動的に終身年金もつくれる効果があります。国民年金の場合、65歳から受け取る老齢基礎年金は満額で約78万円(毎年改定されます)、扶養内であれば保険料を納めることなく受給できる年金です。一方、老齢厚生年金の場合、妻が年収150万円で15年間働くとしたら、65歳から約12万円の受給額アップ、90歳までの25年間では約310万円のアップになります。

ちなみに150万円を超えると、Aさんは配偶者控除の税金控除がなくなりますが、150万円超から201万円までは配偶者特別控除があるので、気にするほどのマイナスインパクトはありません。それよりも妻の厚生年金は収入と加入期間に比例して増えていくので、家計全体でのメリットは多くなります。

会社の健康保険加入で傷病手当金も受け取れる

また、妻自身が会社の健康保険に加入すれば、「傷病手当金」も受け取ることができるようになります。これは、国民健康保険にはない手当です。ケガや病気など働けない状況で給料が支払われない場合、最大1年6カ月まで、給料の3分の2の手当が支給されるのです。

妻が扶養を外れると、家族手当のマイナス分は確かに大きいのですが、手当の制度は将来的に変わることもありえます。会社や国の制度変更は夫も妻もコントロールできません。何となく妻は扶養内で働くのが当たり前と考えていたAさんでしたが、妻から迫られたことをきっかけに、考えを改めたようです。

「実は役職定年で年収が減ることも妻は察してくれていたのでしょうね。妻が扶養を超えて働く気持ちがあることを知り、何だかうれしく、同時に頼もしくも感じています」

夫婦円満は、家計円満ですね。今後のAさんご夫婦を見守っていきたいと思っています。

三原 由紀 プレ定年専門ファイナンシャルプランナー

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みはら ゆき / Yuki Mihara

バブル期にOLを経験、子育て中で外に出られないときに同じアパートに住むママ友3人で株のネットトレードを始め、夫にナイショのままコッソリ1000万円以上の利益を達成。子供の小学校入学を機に保険代理店でパート開始し、FP資格を取得。「無知はリスク(知らない=損をしていることもわからない)」を実感して、自らの家計を再生。40代・50代に向け、プレ定年夫婦専門FPとして「お金で揉めない夫婦関係を構築」「50代からでも間に合う家計立て直し」を提案・実行支援する。保険や金融商品を売らない独立系FPとして活動中。「確定拠出年金相談ねっと」認定FP。三原由紀公式サイト

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