交通事故は減るか?自動運転がもたらす可能性 生活圏によってクルマは欠かせない移動手段
手放しで高速道路を運転できる――。
7月中旬、日産自動車は新型「スカイライン」を披露した。注目されたのが高速道路同一車線内でのハンズオフ、つまり手放し運転を可能にした運転支援技術「プロパイロット2.0」だ。ナビと連動して高速道路上の走行をサポートしてくれる。
道路情報と連動して、同一車線でハンドルから手を離した状態で高精度の自動運転ができる技術は世界で初めてとなる。
実は交通事故死者数は減っている
新たな運転支援技術が広がる一方で、高齢者による交通事故で、幼い命が奪われるなど歩行者を巻き込んだ痛ましいニュースがあとを絶たない。
一連の報道を受け、運転免許証の自主返納も活発に行われている。ゴールデンウィーク明けには都内で一時、免許返納をする人が平時の2倍に上った。東北地方でも返納件数が増加しているという。有名俳優が75歳の誕生日を前に運転免許証を自主返納したとのニュースも伝わった。
このような話を聞くと、高齢ドライバーによる交通事故が急増しているかのような印象を持つ読者もいるのではないだろうか。
警察庁の2019年2月発表の統計によれば、実は交通事故死者数は年々減少しており、また高齢者の運転による死亡事故も大きく増えているわけではない。ただ、全体的な減少傾向のなかで高齢者による事故がなかなか減っていかない状況であるため、交通事故のなかで目立つ実態がある。
運転しなければ事故は起きない――。そのとおりである。ただ、一朝一夕にことが解決するわけではない。
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