交通事故は減るか?自動運転がもたらす可能性 生活圏によってクルマは欠かせない移動手段
ほかにも、両親の介護を経験した筆者は、親子の間でも手助けを頼んで外出することへの心の負担があることを実感した。
子どもに対してでさえ、物事を頼む遠慮が親にある。それが近隣の医者へ行ったり、薬を受け取りに行ったりするだけでも、待ち時間が読めないことなどを思うと、躊躇するのである。寿命が延びるのは幸いだが、快く生活を続けられるかどうかで余生の喜びも違ってくるだろう。
郊外へのドライブなど長距離走行でなくても、近所まで1人で出かけられる自動運転が実現したら、高齢者の心の負担を軽くしてあげられるのではないか。そうすれば、より元気に日々を暮らせるかもしれない。体の不自由な人も、介護者の手を離れて出かけられれば、どれだけ自由な気分を味わえるだろう。
車酔いを軽減してくれるACC
安全と安心、そして自立。それ以外にも、自動運転や運転支援は、クルマでの移動に新しい価値をもたらす。それは快適さだ。
日産自動車のプロパイロットが最初に搭載されたのは、ミニバンのセレナだった。セレナは、子育て世代を含め女性でも使いやすいミニバンとして人気を得ている。例えば、3列目の座席を操作する際に、女性でもあまり力を入れずに調節できるなどの配慮がある。
そのセレナに搭載された、前走車との適切な車間距離を維持しながら追従走行し、ドライバーの運転負荷を軽減するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)と車線維持機能を使って運転したときに思ったのは、車酔いしやすいミニバンの3列目の座席でも快適に移動できるのではないかという“価値”だった。
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