NBA八村塁のスピーチが抜群に効果的だった訳 プレゼンで成功する人が使う手段とは?

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そして2つ目の効果的なポイントは「聞き手」視点。

八村塁選手が入団会見で語った一問一答では、こういうやりとりがなされています。

――チームにどのように適応していくか?
「チームやコーチが求めることはなんだってできます」

――ウィザーズのファンに見てほしいプレーは?
「自分はディフェンスでもオフェンスでもどちらもできる選手だと思っています。持ち味であるプルアップショットとかミドルレンジとか、リバウンドからのボールをプッシュするとか、そういうところを見てほしいです」

この若さだったら、つい「自分が何をしたい」「新人賞を獲りたい」といった「自分視点」で語りそうなものですが、彼は「チームが求めるもの」、そして「ファンにとっての見所」という相手の立場にたった発言をしているのです。

これを私のブレイクスルーメソッドでは「聞き手視点」と呼んでいます。

「聞き手」視点を備えるのがスピーチの基本であり、主役はあくまで聞き手であり、話し手はその大事なメッセージに導くガイドであるという考え方です。

「聞き手」が誰であるか、「聞き手」にとってその話を聞くメリットは何か、なぜ「聞き手」に自分が話すのか、そして「聞き手」にどうなってほしいのか。

それを踏まえてスピーチ/プレゼン原稿の構成をしていくことが大事であり、極めてマーケティングに近い作業といえます。

八村選手の場合はプレゼンの勉強をしたわけではなく、この「聞き手視点」はごく自然と出てきたのでしょう。

ワンビッグメッセージに絞り込む

ですが、多くのビジネスパーソンは、いざプレゼン/スピーチを組み立てようとすると、つい「自分が伝えたいこと」に集中して「自分視点」になってしまうので、「聞き手視点」をつねに意識することが大切です。

八村選手の会見では、質問に一つひとつ答えるという形式でしたが、今後大活躍する選手となってスピーチをしていく場も増えるでしょう。

人前でスピーチやプレゼンをするのであれば、みなさんにも意識してもらいたい点が1つあります。

それはワンビッグメッセージです。

あるITの会社のプレゼンを研修したときのことです。その部署ではリバース・イノベーション(新興国で生まれた技術革新やアイデアを先進国に導入して世界に普及させるという概念)を打ち出すプレゼンを練っていました。

それを社内トップに提言する予定になっているという、失敗できないケースだったのです。

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