この夏、任天堂とJALのCMが描いた「シズル感」 消費者の心に刺さったCMにはどんな特徴が?
夏休みシーズンが到来し、CMにもどこか浮き立つ空気が漂う。期間中に放送された全3289作品中の1位は、松坂桃李らが“#洗濯愛してる会”のメンバーを演じるシリーズが好調な花王『アタックZERO』。臭いをテーマに、彼らが真剣に洗濯に向き合う姿をコミカルに描いた。
2位にはau「三太郎」シリーズの新作がランクインした。今作ではいよいよ親指姫(池田エライザ)に先導されて三太郎が“ヤバイ鬼”退治に向かう内容で、明るく楽しいミュージカル調に仕上がっている。「♪さあ行こう ヤバイ鬼を退治しに 旅って いいね」と親指姫と浦島太郎(桐谷健太)が歌い踊る展開で、あっけらかんとしたふたりと戸惑う桃太郎、金太郎(濱田岳)とのテンションのギャップが笑いを誘う。
「アゲリシャス」をキーワードにしたCMが引き続き好調なゼスプリインターナショナルジャパンの『キウイフルーツ』は3位にランクインした。7月13日放送のTBS『音楽の日』では、AKB48とコラボレーションした番組連動CMをオンエア。あたかも“キウイ・ブラザーズ”がアーティストとして番組に出演しているかのようなCMで、グリーンと歌い踊っていたゴールドの口部分の“のり”がはがれるというアクシデントも相まってSNSなどで話題となった。
「シズル感」を巧みに感じさせた2つのCM
今回注目したいのは7位の任天堂『スーパーマリオメーカー2』と30位の日本航空『先得割引』のCMだ。カテゴリーの異なる2つだが、ともにサービスを通して得られる幸福感をシズル感たっぷりに描いて視聴者から好感を集めた。
「シズル」とは本来「sizzle」という英単語で、料理する際の“ジュワー”“ジュージュー”といった音を意味するが、広告においては「シズル感」=五感に訴えて食欲を喚起する表現という意味で用いられる。さらに転じて、本能的に感覚を刺激する表現を幅広く指すようになった。今回紹介する2つのCMはいずれも視聴者の幸福感を刺激したり追体験させたりする表現で、いわば“心のシズル”を巧みに感じさせている。
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