まさに佳境、「相鉄・東急直通線」工事現場を歩く

巨大なシールドマシンが地下深くを掘り進む

発進立坑はちょうど深さ40mまで掘削を終えたばかりで、底の地山が見えている段階だった。これから2mもの厚さのコンクリートを打って底板を構築し、壁面にもコンクリートを立ち上げて巨大空間を完成させる。そこに工場で製造されたシールドマシンを解体してパーツごとに運び入れ、再び組み立てる。マシンの搬入は今年9月ごろ、そして日吉に向けた発進は11月ごろを予定する。

新綱島駅の新横浜方にあたる立坑よりシールドトンネル端部を見る。シールドマシン後方では順次セグメントがはめ込まれていく(撮影:山下大祐)

新綱島から日吉に向けた綱島トンネルは、単線シールドトンネルの並列になる。日吉では東横線高架の両側に上下線が分かれて取り付くためだ。長さ約1350mのうち1065mがシールド式で、地上につながる部分は東急が開削式で施工している。

地底に下る途中、SFの要塞にしか見えない壁面に鋼管がアーチ状に並ぶ場所に案内された。ここは駅の一部であり、この場所からシールド区間まで水平方向に35mほどトンネル全周にわたり角形鋼管を押し込み、その鋼管が駅部の大断面トンネルの外郭となる。「鋼管推進工法」と称するこの手段は、地上にすでにマンションが建ち、開削工法が採れなかったために選択された。今後、鋼管の中および鋼管同士の間にコンクリートを充填して強固にした後、鋼管に囲まれた内部を掘り抜く。

地下4層に及ぶ開削式で施工されたホーム部は、新横浜方および日吉方の発進立坑を除いて軌道階と地下3階の土木工事を完了、今後は軌道工事や電気工事に入る。地下水に濡れた床版が仮設照明の連なる壁面を映して奥まで続いている。

新横浜方は複線シールドマシンで掘進中

一方、その上層に移動すると、地下2階の床版を打ったばかり。下から順に実体を構築しては縦横に交錯する鋼材を切って取り外し、改めてステージを組んで上層階の床を施工するための型枠や鉄筋を配置し、コンクリートを流し込む手順である。強度が出るまでコンクリートが乾燥しないよう黄色いシートで養生しているのが、まさに前日に打ったばかりの様子を伝えていた。

地上を経由して見学場所を新横浜方に移動。そちら側では新横浜まで3304mの新横浜トンネルを複線シールド式で掘進中である。昨年12月の発進で、現状はすでに鶴見川をくぐり右岸に達した。

この鶴見川の川底からトンネル径の2倍近い離隔を取らなくてはならないため、直近の新綱島駅は地下4層の深い駅となっている。軌道面は地下30mであるが、駅部から発進させるシールドマシンは真円のため、その組み立て作業場でもある立坑は40mの深さが必要になる。

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