まさに佳境、「相鉄・東急直通線」工事現場を歩く 巨大なシールドマシンが地下深くを掘り進む
相模鉄道が東京都心に乗り入れるという、首都圏ではまた1つネットワークの変革となる出来事の実現が間近に迫ってきた。まずは相鉄・JR直通線として相鉄本線西谷から新線に分岐し、羽沢横浜国大駅経由で東海道貨物線とつなげ、JR東日本との相互乗り入れによる渋谷・新宿方面との直通ルートが、今年11月30日に開業する。
一方、羽沢横浜国大駅で分岐して日吉で東急東横線・目黒線とつなぐ相鉄・東急直通線は、2022年度下期開業を目指して土木工事が続けられている。構造物が形になれば報道公開等によりPRされるが、建設中の様子も知りたい。今回、鉄道・運輸機構の案内により、その現場を見ることができた。
ちなみに、整備においては都市鉄道等利便増進法に基づく受益活用型上下分離方式が採用された。鉄道・運輸機構が整備主体となり国が3分の1、地方自治体(神奈川県・横浜市)が3分の1を負担、残る3分の1については機構が調達し、営業主体となる相鉄と東急は受益相当額を施設使用料として機構に支払い、借入金を返してゆくスキームである。
新綱島駅地下40mの空間へ立坑から潜入
訪れたのは新綱島駅。東横線綱島駅の目と鼻の先に設置される地下駅である。相鉄・東急直通線は羽沢横浜国大~日吉間約10.0kmで、途中に新横浜、新綱島の2駅が設けられる。この両駅はまだ仮称の段階にある。西谷から羽沢横浜国大を経て新横浜までが相鉄として営業する区間で「相鉄新横浜線」、その先、新横浜~日吉間は東急として営業する区間で「東急新横浜線」との線名が昨年12月に決定された。
非常に狭隘(きょうあい)な土地に高架下バスターミナルを抱える綱島駅とは対照的に、工事現場は中原街道の反対側に広い空間を有している。日吉方のシールドマシン発進立坑と教えられたその地下へ文字どおり潜入すると、鉄骨を縦横に組んだ壮絶な空間が地下40mまで掘り下げられている。幅の狭い作業用階段を何十回も折り返しながら下ってゆくと、クレーンによる資材搬入口を上方に仰ぎ見て一筋の光が注ぐ光景となり、深さを思い知る。
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