「同期入社で同じ年収」なのに年金額が違う理由

結婚年齢と妻の年齢で年金が「600万円」の差!

AさんとBさんは65歳から国民年金と厚生年金を受給できるわけですが、その年齢を70歳まで繰り下げた場合、それぞれの年金額が42%増額されます。したがって、90歳までの20年間に受け取れる年金の額は5765万4840円と、65歳から受給した場合に比べて690万2340円も増えて、Cさんが加給年金を上乗せして受給した場合の額を上回ります。

「おお~」と思われた方も、ひょっとしたらいらっしゃったかもしれませんが、ちょっと考えれば、「Cさんも繰下げ受給を選んだらどうなるの?」という鋭い突っ込みを入れたくなりますよね。

そうなのです。もしCさんが国民年金と厚生年金を繰下げ受給した場合、Aさん、Bさんと同額の690万2340円増えます。

やっぱりそうかと、肩を落とす人もいそうですが、Cさんが繰下げをすることにより厚生年金を受け取らない場合、妻の加給年金を受け取れません。したがって、Cさんの妻が受け取る加給年金は70歳からの10年分の390万1000円と、200万円近く減ってしまいます。

Cさんは、65歳からの加給年金を優先するために、国民年金だけを繰下げるという方法も考えられます。

国民年金の受給額は65歳から受給した場合の78万0100円から、110万7742円に増えるため、厚生年金と加給年金は65歳から、国民年金を70歳からと時間差で受給すると、90歳までに受け取れる公的年金の総額は5925万6340円と265万2340円増額します。これは5歳程度の年の差婚の方なら、考えるべきオプションです。

しかし、Cさんのように15歳も年の差がある場合、国民年金と同時に厚生年金を繰下げたとしても加給年金が70歳から10年間がありますから、結果総額6155万5840円と、ダントツで受け取れます。

う~ん、日本の年金制度は、年の差婚の若い妻に優しいようです。

なお加給年金は、その対象である配偶者が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金や障害年金を受給する場合は支給されない点に注意してください。

モデルケースみたいな夫婦はほとんどいない!

50歳になると、嫌でも自分の老後を意識せざるをえなくなります。最近も「2000万円不足問題」が炎上したように、老後の生活に必要なお金をどのくらい準備すればいいのかについて、多くの人が関心を寄せています。老後資金の計画を立てるためには、公的年金がいくらもらえるのかを知っておく必要があります。

でも、これがちょっと驚きなのですが、年金生活になっても、自分の収入はそれほど減らないと思っている人が、ときどきいます。

「たくさん給料をもらって、たくさん年金保険料を払っているから、いまの給料と同じくらいの年金はもらえるはず」ということなのですが、それは大きな間違いです。現役時代の給料と同額の年金が出る制度など、ありえません。

年金の受給額がいくらになるのかは、国がモデルケースを示しています。「夫は年収が平均500万円程度の会社員で40年間厚生年金保険料を納めていて、妻は40年間専業主婦」という条件を満たした場合、年金の受給額は月22万円程度です。

実は、この「モデルケース」というのが曲者です。よく考えてみてください。いまの時代、妻が40年間も専業主婦であり続けられる家庭ってあるでしょうか。要するに、モデルケースが浮世離れしている恐れがあるのです。

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