20・30代が「老後までに2000万円」を貯める方法

金融庁の報告書を「お蔵入り」にしてはいけない

衆院財務金融委員会で頭を下げた金融庁の三井局長は退任し、麻生大臣は留任。だが、報告書を「お蔵入り」にした責任は重い。国民の資産形成を後押しする画期的な提言が書かれていたからだ(写真:共同通信)
金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」から起こった騒動は思わぬ形で「老後のお金問題」を長引かせています。7月初めには、報告書を取りまとめた同庁の三井秀範企画市場局長が退任。事実上の更迭とみられています。一方で、「老後に2000万円が必要」という単純な試算は、多くの人々の心に刺さったようで、資産運用の関心が高まっています。でも、現実問題として「2000万円」などという大きな資産を簡単につくれるものなのでしょうか?
コモンズ投信の渋澤健会長は「十分に可能です」と言い切ります。ただし、それは、今回の報告書に書かれた提言内容が実現されたら――という条件付きです。残念ながら、すでに報告書は「お蔵入り」の状況ですが、いったい何が起こったのか、渋澤会長に詳しく語ってもらいました。

数字だけを切り取って大騒ぎしたメディアの罪

今回の「2000万円」騒動の発端は、一部メディアの偏向報道にあると考えています。「2000万円」という数字だけを切り取り、「(公的年金では足りない分として)最低でも2000万円の資産がなければ老後は生活できなくなる」などと曲解しました。そのうえ「公的年金も当てにならない」と、半ば強引に結論づけました。

報告書をしっかり読んでいれば、そのような解釈はできないはずです。ろくに目を通さないままコメントしているな、と思われる人たちが大勢いました。参議院選挙を控えて野党政治家たちも加担し、騒動は政争の具になってしまい、前代未聞の事態にまで発展したのです。

次ページ報告書の本当の狙いは「G20」への提言にあった
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