あの聖地「タワレコ」に、女子も吸い寄せられる 「足」を運び、撮影、群れて盛り上がれる場所

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日本は世界でも珍しいCDがメインの市場だが、ストリーミングも成長している。日本レコード協会によると、2018年の実績は30%増の310億円(音楽ビデオなどを含むと348億円)。CDの約5分の1の規模だが、着実にシフトは進んでいると言わざるをえない。

今後、CDショップとしてどのような手を打っていくのか。高橋取締役は「壮大なビジョンがあるわけではない」としつつもこう語る。

5階のK-POPフロアでレジに列を作る若い女性ファン。今がCD不況とは思えない光景だが…(記者撮影)

「確かにCDは減少しているが、それほど悲観はしていない。今後もお客様としっかり対峙し、欲していると思われることを調整しながらやっていく。来店していただいたとき、ファンのことをわかっているなと思ってもらえる店舗にしたい」。ファン目線で要望を捉え続けることで、難局を乗り切る覚悟だ。

レコード会社や音楽事務所との連携がカギ

デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏は指摘する。「ショップがファンで盛り上がっているのは非常によいこと。さらに盛り上がれるよう、ファンに働きかけ続けることが大事だ。CDが減少する中、アーティストの聖地と呼ばれる各店舗のバイヤーは、音楽ファンを熟知する貴重な人材。ショップでの展開にとどまらず、その知見はマーケティングなどに活用していくべき。そのためにはレコード会社や音楽事務所などと連携した取り組みも必要になる」

日本上陸から40年、音楽を聴く方法やメディアが移り変わる中でも、熱心な音楽ファンを店頭に惹き付けることができるか。長年ファンと直接向き合いニーズに応えてきた経験を生かし、新たな仕掛けを提供し続けることが令和時代を生き残るカギになりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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