あの聖地「タワレコ」に、女子も吸い寄せられる 「足」を運び、撮影、群れて盛り上がれる場所

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大高店だけではない。広島店も人気バンドのBUMP OF CHICKENの聖地として知られる。「BUMP班」なるチームが、ファンによるメッセージボードや直筆サインなど、さまざまなアイテムを展示、熱気が込められたPOPとともにファンを迎えている。アーティストが来なくても、ファンイベントが開催されることもあるという。

BUMP OF CHICKENは千葉県で結成されたバンドで、広島に特別な縁があるわけではない。広島店で盛り上がる理由は単に、「熱心なBUMPファンのバイヤーがいるから」なのだ。前述の大高店も、SMAPを愛するバイヤーがいるから。バイヤーのプッシュにファンが呼応し、SNSを通じて全国からファンが集まる。こうした”聖地化現象”は、多くの店舗で起こっている。

年間8000回近いイベントを全国で連発

旗艦店である新宿店は星野源椎名林檎。渋谷店もK-POPに加えてTHE YELLOW MONKEY乃木坂46などの坂道系グループ、さらにジャニーズの新星King & Prince。梅田大阪マルビル店はB’z、神戸店はPerfume、名古屋パルコ店はサカナクション、といった具合だ。

錦糸町パルコ店でライブを披露するシンガー・ソングライターの原田珠々華。アーティストを間近で見られる店頭ライブは人気イベントのひとつ(写真:タワーレコード)

店頭で開催されるイベントも、集客に欠かせない仕掛けである。その数は半端ではない。2018年度はタワレコ全店で実に7817ものイベントを開催した。大半の店舗にイベントスペースを設置しており、アーティストのライブからサイン会、新作発表時の記者会見、トークショー、ライブビューイングなどが頻繁に開催されている。

ファンにとっては、CDやグッズなど商品の購入に加えて、店頭のさまざまな展示やファン同士の交流、イベントを体験できることなどが、店に足を運ぶ理由になっているようだ。

もっとも、タワレコにとって重要なのは、特定のアーティストを追うファンだけではない。幅広く音楽を楽しむ音楽ファンも、同社を支えてくれる大事な客だ。そもそもタワレコは1979年に輸入レコードの卸売り部門として日本に上陸した会社。当初から日本で知られていない海外アーティストを多く紹介してきた。商品のレコメンド(おすすめ)は、バイヤーの腕の見せどころなのである。

渋谷店の6階でインディーズロックを10年間担当する武田晃氏は「海外のトレンドを意識しながらレコメンドしている」と話す。日々ストリーミングサービスをフル活用し、海外DJが作成するプレイリストを中心に聴き込んでいるという。そこで、これだと思ったアーティストの作品を仕入れ、売り場を作っていく。

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