スタバ、「スマホ注文」導入で見えた意外な課題 6月から事前注文・決済可能なサービスを開始

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ただ、新サービスが本格的に浸透するには、まだ時間がかかりそうだ。「スタバがこのようなサービスを始めていたとは知らなかった」(都内在勤の20代女性)との声も聞こえてくる。

前述した大手町の店舗でも、女性スタッフが「モバイルオーダー&ペイをご存じですか?(東京ディズニーランドなどの)ファストパスみたいで、すごく便利ですよ」と、周知を徹底していた。

SBJが店舗限定でモバイルオーダー&ペイをスタートさせたのは、「当初から完璧なサービスができるかどうか不安だった。これからオペレーションを磨き上げて、ほかの店舗に拡大していきたい」(濵野部長)との理由からだ。実際、教育体制や接客力に定評のあるスタバであっても、サービス開始直後には想定外の対応に追われる面もあった。

その1つが、アプリのダウンロードや更新が必要であることの周知だ。公式アプリを従来からダウンロードしていた顧客であっても、新サービスを利用するためには更新が必須だが、そのことを知らない利用者が続出。「アプリを開いてもモバイルオーダーが利用できない」との問い合わせが店頭で相次ぎ、スタッフが対応に追われた。

現場では従業員が手間取る場面も

また、スタバではドリップコーヒーやアイスコーヒーを購入し、そのレシートを提示するとその日のうちなら2杯目を安く買うことができる「ワンモアコーヒー」というサービスがある。290円~410円(税抜き)のドリップコーヒーを1杯買うと、2杯目は同じサイズのものを100円(同)で購入できる (非会員は150円)。

ところが、モバイルオーダーではアプリ上で注文・決済が完了するためレシートが出ない。そこでアプリ上にワンモアコーヒーの電子チケットを出す形にした。しかし、2杯目を店頭で購入しようとすると、この電子チケットのバーコードを提示したあと、さらに支払いのためにスターバックスカードのバーコードも提示する必要がある。2回にわけてバーコードを読み込むことが必要で、スタッフが手間取る場面も見られた。

消費者の利便性と店舗の生産性向上を狙った新サービスの動向は、ほかのコーヒーチェーンも注目する。思惑通り、本格的に普及させることができるか。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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