「ポイントは3つあります」がもはやNGな理由 情報量が多すぎる時代の「伝え方」の新常識
ではどうすれば、もっと簡単に相手の意識を離すことなく、自分の説明を聞いてもらえるのでしょうか。そのための効果的な方法を、コピーライターがよく使う言い回しから、お伝えしたいと思います。
いくつか方法はありますが、とくに効果的なのは「透明ルート標識」という技術です。これは相手に気づかれることなく、無意識的に頭のなかにこれから説明するルートを受け入れる準備をさせる言い回しです。
例えば便利な言葉の1つが「時代」です。僕が、「短い説明が必要な時代です」と話し始めたとします。すると、この言葉を聞いた瞬間に、相手の頭のなかにはある説明のルートを受け入れる準備ができます。それが、
「(1)これまでの時代」 → 「(2)これからの時代」
という説明のルートです。説明する僕も、このルートに沿いながら話していきます。次の説明のような形です。
「時代」というキーワードは、変化の激しい現代では使いやすい言葉です。1年どころか、数カ月、ネットの世界では数日間で世の中の流れやトレンドが変わる。そういう世の中で、人々は自然と「いまはどんな時代か?」「これからは何が主流になるのか」を確認するのがクセになっています。
いまが「どんな時代か」を教えてくれる人は、価値のある存在であり、そういう話にはつい耳を傾けたくなるのです。SNSやウェブの記事などでも、伝え方が上手な人は「時代」という単語を使って、キャッチーかつ端的に主張を伝えています。
「提案」「課題」「解決策」を一気に伝えるひと言
次にご紹介したい単語が「挑戦」という透明ルート標識です。この単語には「新しいことを始める」という意思に加え、「そこに至るまでの障害になりそうなこと」「それをクリアできる理由」をこれからお話しします、といった意味が含まれています。
すなわち、「挑戦」という単語を組み込んで説明を始めると、
「(1)成し遂げたいことの前にある障害」 → 「(2)それを越えられる理由」
という説明のルートを、相手の頭のなかに準備してもらうことができます。
例えば、新規事業の提案をしたいとします。そのとき、挑戦という単語を組み合わせると、ルートに沿って、このような説明ができます。
新しいことを始める、そんな説明をするときに、聞く相手はマイナス要素を思い浮かべやすいものです。
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