「定番ホットケーキ」、専門店のスゴすぎる進化 決してほかでは真似できない「ここだけの味」
最後に紹介するのは、大山にある「ピノキオ」というお店です。
「ピノキオ」といえば、ホットケーキ好きの間では言わずと知れた「聖地」です。なぜそこが「進化系」ホットケーキの「一押し」なのかと思う方もいるかもしれません。
しかし、ホットケーキという食べものの姿形にこだわり、造形美を追求するという今の流れをつくったのは、間違いなく「ピノキオ」の店主である塩谷三夫さんです。まさに「進化系」の元祖なのです。
「ピノキオ」のホットケーキは、とにかく「美しい」。そのフォルム、厚さ、焼き色、この造形美はほかのお店ではお目にかかれない逸品です。
その造形美に魅了されるのは、日本人だけではありません。世界中から「ピノキオ」のホットケーキを求めて、「大山詣で」が続いているのです。その国籍はアメリカ、中国といったメジャーな国だけでなく、エストニア、北アイルランド、ポルトガル、タヒチと実にさまざま。
塩谷さんがこだわるのは、丸くて厚いホットケーキ。しかも、型枠(セルクル)を使わずに、手作業で「完全なる円形」をつくり出します。だから、単に美しいだけでなく、どこかあったかいのです。
並んで待つ価値が十分にある「進化系ホットケーキ」
紹介した「進化系ホットケーキ」のお店はどこも大人気です。いつもお店の前には行列ができているので、時間帯によっては待つこと覚悟で行く必要があるかもしれません。でも、並ぶ価値は十分にあります。
ある大企業の社長は、どうしても「TAMTAM」のホットケーキが食べたくて、1時間並んで食べたそうです。そして、「確かにあれはイノベーションだね。あの創意工夫は見習わなくては」と私に教えてくれました。
単においしいホットケーキを味わうだけでなく、「どうしてこんなホットケーキが生まれたんだろう?」「どうしてこんなに繁盛しているんだろう?」と考えることも、生きたビジネスの勉強になるはずです。
昔ながらの懐かしい味がしぶとく残る一方で、時代にマッチした新しいホットケーキも誕生しています。その中には、ホットケーキという「素晴らしい食べ物」を残そうと前向きに取り組んでいる若い世代の人たちもいます。
「ホットケーキなんてどれも同じだろう」と思われている方、ぜひ紹介した「進化系」のお店を訪ねてみてください。
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