新卒社員が3年足らずで辞めるのは「悪」なのか 終身雇用が崩壊し、転職は重要な選択肢だ

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お恥ずかしい話、地方で大学生活を送っていた筆者も、講義に出て、映画館でアルバイトしていただけなので、ほとんど無知だったと言える。また、インターンシップも同様で、外側から体験するだけでは、本当の実態はつかめないと思う。

学生時代は自分がどのような特性を持っているのか、どのような希望(何がしたい? どんな働き方をしたい?)を持っているのかといったことに対しては、理解が浅い状態だと言える。学校でもそのような経験ができないし、そのようなことを考える機会すらほとんどない。

そのため、一度社会人となって世の中に出ることによって、仕事や業界、職場環境といった情報に広く触れ、自分事として考えるようになる。結果として、キャリアリテラシーが向上し、自分の特性や希望に合った仕事や職場を選び直すことができる。

最初の仕事を基準にすれば、仕事選びの精度は上がる

メリット2 ファーストキャリアが比較基準となる

新卒の就職の場合、どうしても仕事や労働環境の基準となる情報や経験がなく、自分に合った仕事選びができない。そのため、大学時代にアルバイトをしていた飲食業界(居酒屋チェーン)や教育業界(塾)といったところに就職しがちで、就職してから労働条件の悪さ、将来的なキャリアへの不安を感じ、退職するケースが多い。

以前書いた記事(5月29日の配信記事「就活『3年で新卒の3割離職』が解消されない背景」)でも触れているが、学生目線でイメージしやすい、体験しやすい仕事は離職率が高いことがわかっている。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、大学新卒者(2015年卒)の3年以内離職率のワースト3は、

1位:宿泊業、飲食サービス業(49.7%)
2位:教育、学習支援業(46.2%)
3位:生活関連サービス業、娯楽業(45.0%)

となっている。

ファーストキャリアで選ぶ仕事は、一時の感情(「やりたいこと」「楽しそう」)で選ばれることが多く、すぐに「この仕事ではない」と感じることが少なくない。

仕事や環境が「自分に理想と合っていない」と感じるのでであれば、早めに軌道修正すればいい。そして次の仕事先は、少なくともファーストキャリアを比較基準として仕事を選ぶことができるため、仕事選びの精度が上がるはずだ。

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