韓国の諜報活動に迫った映画「工作」のリアル度 北朝鮮に潜入した工作員の実話を基に映画化

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引き込まれるようなストーリーも魅力だ。主人公・パク・ソギョンは、陸軍の少佐として服務中に、韓国の情報機関である「国家安全企画部」にスカウトされる。そして北朝鮮の核開発の実態を調べるための、スパイとして北へ潜入を命じられる。パクには、「黒金星」というコードネームが与えられた。

北との貿易商になりすまし、中国・北京に滞在する北朝鮮・対外経済委員会のリ・ミョンウン所長に接近することに成功する。外貨獲得を急務とする北朝鮮の懐事情も彼の諜報活動への追い風になった。

一方、リ所長は、北朝鮮側の人間として、黒金星を警戒しながらも対峙していくが、やがてパクとの間に不思議な絆が生まれるようになっていく――。

息をつく暇のない展開で観客を引き込む

主人公・黒金星を演じるのは、ソン・ガンホ、ハ・ジョンウらと並び、現代の韓国映画界を牽引するトップ俳優のファン・ジョンミン。

『新しき世界』では組織のボス、『国際市場で逢いましょう』では激動の時代を生き抜いた父親、『ベテラン』では行動派の刑事と、出る映画ごとに違った顔を見せ、唯一無二の存在感で観客を魅了する存在だ。

主人公のパク・ソギョンは、北京に滞在する北朝鮮・対外経済委員会のリ所長を通じ、政権中枢への接触を試みる ©2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED

黒金星には、平凡でありながらも軍人特有の強さのようなものが共存している。ユン・ジョンビン監督は、そんな黒金星を演じることができるのはファン・ジョンミンしかいないと熱望した。

さらにほかにも、韓国を代表する演技派キャストが集結。彼らが頭脳を駆使して行う心理戦は、キャスト陣の圧倒的な演技力によって、ヒリヒリするような緊張感を伴い、息をつく間もないほどの迫力で一気に畳みかける。

メガホンをとったのは、軍隊問題を正面から扱った映画『許されざるもの』(2005年)でデビューしたユン・ジョンビン監督。同作は、韓国の映画監督のデビュー作としては初めてカンヌ国際映画祭に招待されるなど注目を集めた。

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