元ソフトバンク社員がドコモでサービス作り ドコモの支援プログラムに集まるスタートアップ⑥

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こうしたメイカーズ系の商品が増えてくると、「ユーザーは複数の商品の比較をするのでではなく、その商品自体が本当に使いやすいかどうかという点を重視するようになる」(須藤代表)。そこで、新商品も安心して購入できるように、ユーザー目線のサービスを作ろうと思い立った。

昨年までソフトバンク社員だった

実は、須藤代表は昨年12月までソフトバンクの人事部門に勤めていた。同社にもイノベンチャーと呼ばれる新規事業の提案制度がある。毎回1000件を超える応募から数件の事業化が検討されている。ただ、3年目を迎えた制度だが、現状では会社として設立された例はない。起業志向の強かった須藤代表はソフトバンクでの事業立ち上げを断念し、退職を決意。同社での勤務はわずか9カ月だった。

ドコモのイノベーションビレッジの門を叩いたのは、サービス発表イベント「Demo Day」で優秀なサービスと評価されれば、ドコモが提携する著名ベンチャーキャピタル「500スタートアップス」の下、シリコンバレーで修行できると聞いていたから。サービスのグローバル展開を考えていた須藤代表にとっては、魅力的な条件だった。  

商品が手元に届いたとき、手軽に写真を撮ってアップできるのはスマホ、という理由から、「Make it!」は主に、スマホからレビューを投稿したり、閲覧するサービスになる予定だ。ウェブサービスにするか、アプリにするかは現在検討中。詳細なサービス内容も決まっていない。

課題となるのはユーザーの確保だろう。進んで最先端の商品を購入する「アーリーアダプター層」を呼び込み、レビューの絶対数と質を担保する必要がある。また、メイカーズムーブメントが世界中に広がると考えると、グローバル展開、それに伴う多言語対応も必須になるだろう。ハード商品に関連したサービスはイノベーションビレッジも未経験。レビュー以外の価値を加えていくためには、500スタートアップスを含め、国内外ベンチャーキャピタルと協力したメンタリング、そしてサービス開始後の後方支援が不可欠になりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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