新幹線や車に主役を譲った…「残念な幹線」10選

現在は観光列車がのんびりと走る路線も

4)上越線(群馬県・新潟県)

本来なら「上越本線」と改称してもおかしくない堂々たる幹線だった上越線も上越新幹線の開業で優等列車がごっそり新幹線に転移して、全線複線電化の施設を持て余すようになって久しい。

さらに関越自動車道経由のバスやマイカーの影響で、数少ない特急「水上」も臨時列車に格下げされ、近年は惨憺(さんたん)たる状況だ。今では、SL列車が走る路線として認知されている状況かもしれない。

とくに悲惨なのが、清水トンネルをはさんだ水上―越後湯沢間で、この区間を通しで運転する列車は、通常は上下5往復しかない。むしろ太平洋側と日本海側を結ぶ貨物列車の本数のほうが多く、物流の大動脈としての役割は衰えていない。

東京近郊にもある

5)内房線の君津―安房鴨川間(千葉県)

東京方面からの快速電車の終点君津以南の内房線は、単線となり、列車本数も少なくなる。

館山を発車した内房線の「209系」(筆者撮影)

特急「さざなみ」も凋落の一途をたどり、現在、君津―館山に関しては、土休日のみの運転だ。

東京湾アクアラインの開通とそれに接続する高速道路の充実による影響が大きく、とても幹線と呼べるような状況にはないのが残念である。

6)青梅線の青梅―奥多摩間(東京都)

青梅駅までは、中央線からの青梅特快や快速電車が乗入れ、幹線との位置付けも間違いではないと思われる。しかし、青梅以遠は電車の本数も激減し、近年のダイヤ改正では、昼間は1時間に1、2本となるなど過疎化が進んでしまった。

青梅線を走る「E233系」。軍畑付近の奥沢橋梁にて(筆者撮影)

2009年までは、工夫を凝らした観光用の「四季彩」が運転されていたが、今はなく「東京アドベンチャーライン」なる愛称を付けたものの、名前だけの状況だ。

シニアを中心に沿線にハイキングで訪れる利用者もいるのだから、もう少し積極的になって「四季彩」の後継車両を造るとか、中央線から直通するイベント列車を頻繁に運転するなどの取り組みを期待したい。

次ページ名前に「本線」は付いているが…
鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 働き盛りでがんになった人たちの行動
  • 最新の週刊東洋経済
  • 西村直人の乗り物見聞録
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
広告大乱戦<br>デジタル化で進む“下克上”

「ついに」か「ようやく」か。ネット広告費が初めてテレビ広告費を超えました。デジタル化の大波の中で、広告業界は“異種格闘技戦”の時代に。グーグルと組んで購買につながる広告商品を生み出したマツモトキヨシなど、激変期の最先端事例を紹介します。