新幹線や車に主役を譲った…「残念な幹線」10選 現在は観光列車がのんびりと走る路線も

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7)中央本線の岡谷―塩尻間(長野県)

「大八廻り」といって帝国議会議員でもあった伊藤大八が政治力で中央本線のルートを捻じ曲げたとされ、いわゆる「我田引鉄」の見本みたいに言われる迂回区間であった。

しかし、1983年に塩嶺(えんれい)トンネルが開通し、現在のルートに改められると、「大八廻り」の区間は、優等列車の走らないローカル区間に凋落した。

岡谷―辰野は、中央本線というよりは飯田線の1区間といってもいいほど飯田線に直通する列車ばかりが走る。一方、辰野―塩尻は普通列車のみが走る閑散区間になってしまった。

中央本線を名乗ってはいるものの、ちょっと寂しく、幹線とはいえないような実態である。

航路が主役だったころは…

8)宇野線の茶屋町―宇野間(岡山県)

かつては宇高連絡船へのアクセス線として、東京や大阪からの優等列車が発着し、宇野駅は四国連絡の中継駅としてにぎわった。

現在の宇野駅(筆者撮影)

しかし、瀬戸大橋の開通により、四国連絡の鉄道ルートは瀬戸大橋線に移り、宇野線の盲腸線的区間となった茶屋町―宇野はローカル線となってしまった。

宇野駅の広大な敷地も整理され、1面2線の小さな終着駅が現在の姿だ。普通列車が1時間に1本程度は運転されてはいるものの淋しい状況である。観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」が週末に発着するのが目立つ程度だ。

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