「発言小町」読売新聞社が手がける掲示板の実像 1日2000件の投稿が語る女性の本音
――発言小町をここまで長く運営する秘訣はあるのでしょうか。
発言小町は、「誰かに何かを提供する場所」ではなく、「誰でも自由に入ってこられて、自由に発言できる場」です。ただ、その安心感を保障するために、投稿は「公序良俗に反していないか」「ひぼう中傷を行っていないか」の観点で、すべての投稿を人の目でチェックしています。
――かなりの数だと思われるのですが、それをすべて人の目でチェックしているのですか?
そうなんです。投稿数は、親トピ(※議論の元になる投稿)・レス(※親トピに対する返信)を含め、1日平均2000件くらいあります。年間にすると、親トピだけでも約4万5000件に上ります。それを、基本的に元日以外、担当社員と専属スタッフが一日中見ています。
インフルエンザの季節で人手が足りなくなったりすると、正直大変で……。緊急メールをまわして、「今週中に、一人何件チェックしてください」と指示を出して、スタッフ総出で対応することもありますね。
レスしてくれた人の意見はなるべく載せたい
――相当な労力では。
そうですね。一日に1500件近くチェックできる伝説のスタッフもいたんですよ(笑)。
とはいえ、投稿はできる限りすべて掲載する方針です。例えば、問題のある表現を一カ所だけ変えれば掲載できる投稿が結構あるんです。そういう場合は、問題のある表現だけ削って投稿するようにしています。レスしてくれた人の意見はなるべく載せたいという思いで、チェック体制づくりに力を注いでいます。
一度、特定のワードを検知してチェックするシステムを試したことがありましたが、やはりそれでは「できる限り掲載する」ことが難しく、人の目でチェックする体制に戻しました。
――20年続けてきて、ターニングポイントなどはありましたか?
2007年のリニューアルです。ジャンル別に一覧できるようにしたり、「男性発」というジャンルを作ったり。いまの発言小町の原型になっています。このリニューアルで、2008年に月間1億PVを突破。一人あたりの月間の利用時間が1時間22分となり、2ちゃんねる(当時)とYouTubeを抜いたことで話題になりました。PVの記録は2014年に達成した月間2億PV。その後も1億4000~5000万PVで推移しています。
最近では、若いスマホユーザーも入ってきています。スマホユーザーをいかに「病みつき」にさせられるかが今の課題ですかね。