「ペットと住めるグループホーム」の真価とは 精神障害者の置かれる状況は「待ったなし」
大きな特徴は、保護犬・保護猫やペットと暮らせること
障害者グループホームとは、障害者総合支援法で定められた障害福祉サービスの1つで、正式名称は「共同生活援助」。身体・知的・精神などさまざまな障害のある人が、サポートを受けながら、地域に根ざして自立した生活を送るための居住場所のことをいう。
わおん障がい者グループホームは今、34拠点が稼働中で、今後260カ所の開設が予定されている。いずれも4〜5人が集まる民家を活用したシェアハウス型のグループホームで、男女は別になっている。数拠点ごとに生活支援スタッフ(世話人)が1人担当しており、見回りや食事の世話、掃除、犬の散歩・世話などを行う。また、入居者30人当たりに1人のサービス管理責任者が配置されている。
大きな特徴は、施設から引き取った保護犬・保護猫や、居住者自身やスタッフのペットなど、動物と暮らせることだ。
まず居住者である障害者自身にとって、動物との触れ合いを通じて精神的な安定を得られたり、同居者や地域の人とのコミュニケーションがより行いやすくなるというメリットがある。
次に、現時点で年間約4万3000頭(環境省・平成29年度の数値)となっている犬猫殺処分数を低減していくことにもつながる。
一般住居を改築してグループホームとして活用できるため、全国で増えている空き家対策にも有効だ。
なお、2018年6月27日に公布(公布より1年以内施行)の建築基準法一部改正によって、空き家を福祉施設や商業施設に活用する場合、用途変更不要の規模上限が100㎡から200㎡へと引き上げられることになった。つまり面倒な手続きがなくなり、空き家をグループホームとして使いやすくなったということだ。
わおんを運営するのはケアペッツという、ペットの介護や看護、ペットシッターなどのホームケアサービスを展開する企業。動物看護師資格をもつペットシッターのみが登録されていることが売りとなっている。
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