時速360km、英国「HS2」の車両受注は誰の手に? 5者が応札、日立はボンバルディアと連合
入札締切の6月5日には、日立+ボンバルディア、シーメンス、アルストムがCGによる高速車両のイメージを公開した。
イギリスで近年、目覚ましい実績を上げている日立は、ボンバルディアとタッグを組んで応札。この2社はイタリアの高速列車、フレッチャロッサ1000を共同で納入しており、今月には14編成を追加受注している。だが、イギリスではロンドン地下鉄の新規車両納入で失注しているだけに、今回巻き返しを図りたいところだ。
車両は「最も先進的で利用者本位の車両」という「グレート・ブリティッシュ(Great British)トレイン」。日立はイングランド北東部ニュートンエイクリフ(Newton Aycliffe)に、ボンバルディアはイングランド中部のダービー(Derby)にそれぞれ車両工場を運営しており、HS2プロジェクトの車両受注によって「地元経済や雇用確保に貢献」することをアピールする。
実績や英国内生産をPR
シーメンスはドイツのICEをはじめ、スペイン、ロシア、中国で実績を上げている「ヴェラロ(Velaro)」シリーズでの成功を軸に、新型の「Velaro Novo」をベースとした車両でHS2への参入を目指す。
ヴェラロシリーズの車両は、イギリスと欧州大陸を結ぶ国際特急ユーロスターの新型車「e320」としても運行しており、イギリス国内を走る高速列車としての実績がある。同社はまた、イングランド北部ヨークシャー州への工場進出の意向を固めており、「国内での生産」を強調しつつ落札を目指す。
アルストムはフランスのTGVやイタリアの高速列車「イタロ(Italo)」などの実績を引っさげて受注を狙う。車両は「HS2でも在来線でも同様に快適な、モダンでフレキシブルな列車」。公開されたデザインは同社の新世代の高速列車「アベリア(Avelia)」シリーズの流れをくんでいるようだ。
同社はイギリスの西海岸本線を走るヴァージントレインズの振り子式高速車両「ペンドリーノ(Pendolino)」のメーカーでもあり、この車両はすでに20年ほど活躍している。国内で親しまれている同社製車両があるのは大きなメリットかもしれない。
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