トヨタ「電気自動車」でついに本気を出した理由 EV向けリチウム電池調達で中国企業とタッグ

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トヨタは2020年に中国を皮切りに自社開発のEVを本格投入し、2020年代前半には世界10車種以上をラインナップする計画を掲げる。トヨタでEVやFCVの開発を担うZEVファクトリーの豊島浩二部長は「EVの世界で遅れているというのはしっかりと認識しているので、われわれはしっかりと皆さんについていく。その中からわれわれらしいEVを作っていきたい」と謙虚な姿勢を見せる。

昨年のEV市場規模は新車販売全体の1%

トヨタはEVの商品展開ではいわば後発組だが、自動車市場全体で見ればEVの普及はこれからだ。2018年のEVの世界市場規模は121万台(トヨタ調べ)と新車販売全体の1%にすぎない。新車では世界販売首位のVWも2018年のEV販売台数は約4万台にとどまる。その中で、トヨタはどう巻き返しを図るのか。

トヨタは近距離移動を目的とした超小型EVを日本で発売する計画だ(撮影:今井康一)

こだわるのは効率的な開発だ。トヨタが世界展開するEVとして想定する大まかなバリエーションは6種類で、サイズの参考として説明会の会場に並んだ。コンパクト車はダイハツ工業やスズキ、ミディアムSUV(スポーツ多目的車)はスバルと共同開発する。ミディアムセダン、ミディアムクロスオーバー、ラージSUV、ミディアムミニバンについても、得意分野を持つパートナーとの共同開発を検討する。

トヨタと資本業務提携の関係にあるマツダは「CXシリーズ」でSUVを展開しており、パートナー入りする可能性が高い。豊島部長もマツダとは「緩く話をさせてもらっている」とする。

さらに今回、トヨタはEVの普及に向けて、開発・販売から廃棄まで一貫したビジネスモデルを打ち出した。販売に加えてリースも展開し、気軽にEVを使えるようにする。使われた電池の状態を査定する仕組みも作り、EVの中古車を販売したり、住宅用蓄電池などほかの用途で電池を再利用したりする新しいビジネスにも取り組む。現時点では40の企業や自治体と協力に向けて話をしているという。

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