MMTが、こんなにも「エリート」に嫌われる理由 主流派経済学の理想は「反民主的」な経済運営
MMTはなぜ嫌われているのか
MMT(現代貨幣理論)は、高インフレでない限り、財政赤字を拡大してよいと主張する。これに対して、主流派経済学者は、「そんなことをしたら、超インフレになる」と激しく批判している。
このように、超インフレの懸念によってMMTを批判するというのは、極端な議論にすぎないことは、別の記事で明らかにしてあるので、ここでは繰り返さない。
問うべきは、なぜ、このような極端な議論がまかりとおっているかということである。
日本は、20年という長期のデフレに苦しんでいる。そんな日本が超インフレを懸念して、デフレ下で政府支出の抑制に努めたり、増税を目指したりしている姿は、どう考えても異常である。「インフレ恐怖症」とでも言いたくなるほどだ。
なぜ、これほどまで極端にインフレが恐れられているのであろうか。
そして、なぜ、MMTは、こんなに嫌われているのであろうか。
その理由の根源は、貨幣の理解にある。
主流派経済学の標準的な教科書は、貨幣について、次のように説明している。
原始的な社会では、物々交換が行われていたが、そのうちに、何らかの価値をもった「商品」が、便利な交換手段(つまり貨幣)として使われるようになった。その代表的な「商品」が貴金属、とくに金である。これが、貨幣の起源である。
しかし、金そのものを貨幣とすると、純度や重量など貨幣の価値の確認に手間がかかるので、政府が一定の純度と重量をもった金貨を鋳造するようになる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら