今回の店舗のプロジェクトが社内で動き出したのは1年半前。それ以前の2016年ごろから、デジタルを活用した接客の可能性を検討してきたという。ワコールの伊東知康社長は「量販店や一部の百貨店が閉店していき、われわれの主要チャネルが下降する中、お客様とどうコミュニケーションをとっていくか、将来像を模索し始めた」と振り返る。
ワコールの国内事業の柱は、百貨店と量販店での卸売りだ。中~高価格帯のワコールブランドを主に取り扱う百貨店売り場では、これまでも販売員による採寸や、体型の悩みに関する相談対応を重視してきた。加齢とともに体型は変化する一方、下着のサイズが適していないと、きついなどの違和感を感じたり、シルエットが美しく見えなかったりするからだ。ワコールの調べでは約7割の女性が間違ったサイズの下着を身につけているという。
だが、百貨店自体の集客力が衰えているうえ、販売員が多数常駐する下着売り場はハードルが高いイメージがある。特に採寸は、販売員に体を触られたり見られたりすることへの抵抗感も根強く、ストレスに感じられがちだ。ここ10年ほどの間、接客の少ないユニクロなどの大手小売店が安価で楽な着心地の下着の投入を強化する中、ワコールにとって20~30代の顧客への訴求は大きな課題だった。
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