ボルボ「XC90」のディーゼルは何がどう違うのか 大型SUVとディーゼルエンジンは「好相性」

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だが、現在のディーゼルエンジンは世界的に見ても最も厳しいレベルにある日本のポスト新長期規制をクリアできる実力は持っていることに加えて、ここ数年の輸入車はVWの事件などまったく影響なく、さまざまなカテゴリーでディーゼル車が販売の主力を占めている。

ゆえにそのラインナップにディーゼル搭載モデルは不可欠であり、とくにSUVは大きく重くなりがちなため力強く燃費のいいディーゼルは好相性。ボルボもここに対応してD5導入を決めたと思われる。

走り出しは実に軽やか

今回、そんなXC90D5を山形県の鶴岡市近郊で試したが、第一印象で「これぞベストXC90」と思えた。やはり大型のSUVには、ディーゼルエンジンの組み合わせが最適だ。D5に搭載される2.0L直列4気筒直噴ターボ・ディーゼルは、最高出力235ps、最大トルク480Nmを発生している。これを8速ATを介して4輪を駆動するレイアウトだ。

正面から見たボルボ「XC90」(筆者撮影)

車両重量が2トンを超えるヘビー級だが、走り出しは実に軽やかだ。これは最大トルクが480Nmという巨大なトルクを生み出してくれるからにほかならないが、加えてこのディーゼルにはパワーパルスと呼ばれるユニークな機構が与えられており、これによって出足の軽やかさが実現されている。

パワーパルスは停車時またはエンジン回転が低い状態から30km/hまで急加速する際にターボラグを減少してくれる。パワーパルスによって急加速時に、EGR(排気ガス再循環)パイプに圧縮エアを供給する仕組みだ。

エアパルスがエキマニを経由して高圧ターボのタービンに到達。タービンが素早く高回転化することでエンジントルクの立ち上がりが早くなる。強めの加速をしたいときや渋滞の中でのストップアンドゴーでとくに効果があり、急発進ではより顕著に効果を発揮する。たしかに踏み込みに対して素早く反応が得られるので、大型SUVかつディーゼルエンジン搭載車ながらレスポンスがよく加速してくれるわけだ。

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