愛称は「あずま」、日立製「英国新幹線」の実力

運行会社の撤退などを乗り越えついに登場

ちなみに、LNERで使用される車両は日立の笠戸事業所(山口県下松市)で構体を製造、基本塗装と窓や扉の装着を完了したうえで、イングランド北部のニュートンエイクリフ工場で完成させたものだ。

IEP車両は今年7月をメドに笠戸事業所から最終出荷の見込みで、関係者は「地元の皆さんとともに見送りたい」と述べている。下松市の発表によると、7月14日に車両の陸上輸送を公開するイベントを行うという。

IEP車両製造終了後の工場は?

LNERへの導入が進むとともに、GWRでは今月中に旧型車両が一掃されてIEP車両に置き換わる予定だ。そうなると、気になるのがIEP車両製造終了後のニュートンエイクリフ工場の生産計画だ。

これについて笠戸事業所車両設計本部の岩崎充雄本部長は「現在、IEPと同型のAT300と呼ばれる汎用車両の受注残は1000両以上に達している」と述べ、当面の工場運営には不安がないことを強調している。

ただ、現状でニュートンエイクリフ工場は構体を輸入し最終の仕上げを行う作業を担うにとどまっており、「今後は、笠戸事業所や(2015年に買収した)イタリア工場のように、車両をゼロから作れるようにしたい」といった課題も残されている。

「あずま」のロンドン側の起終点は、ハリー・ポッターの「ホグワーツ行き9と3/4番線ホーム」があるキングスクロス駅だ。同駅に作られたフォトスポットには朝から晩までおびただしい数の観光客が訪れ、映画の「荷物カートを押すポーズ」の写真を撮りにやってくる。その壁のほど近いところには「AZUMA」の看板も掲げてある。

日本の技術で造られ、日本語の名が付けられた高速列車は、英国人利用者や訪英観光客の足としてイギリスの鉄道にどのくらい貢献することになるだろうか。背負う期待は大きい。

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