愛称は「あずま」、日立製「英国新幹線」の実力

運行会社の撤退などを乗り越えついに登場

日立が受注した866両のうち、「あずま」の名で東海岸本線を走るのは497両(65編成)だ。このほかの369両(57編成)はロンドンとウェールズを結ぶグレート・ウェスタン鉄道(GWR)に投入されており、こちらは一足早く2017年秋に日立製車両の導入を開始した。GWRでの導入は順調に進み、東海岸本線での「あずま」の運行開始も秒読みか、と期待が膨らんだ。

【2019年5月17日19時20分追記】初出時、ロンドンとウェールズを結ぶ路線名について間違いがありましたので、表記のように修正しました。

ところが事態はそれほど簡単には進まなかった。同線の長距離列車を運行する会社で、「あずま」の名づけ親でもあったヴァージン・トレインズ・イースト・コースト(VTEC)社が、収支の悪化から2018年6月に営業権(フランチャイズ)を返上。やむなく運輸省が同社から運行を引き継ぐことになったのだ。

引き継がれた「あずま」の名

運行会社はLNER(ロンドン・ノース・イースタン鉄道)という名で再出発したものの、はたして「あずま」の名が存続するかどうか、大いに危ぶまれた。だが、幸いなことに車両も愛称もそのまま引き継がれることになった。

側面の窓周辺を赤く塗装した「あずま」。運転席横の小窓周辺は「隈取り」のようなデザインだ(筆者撮影)

ただ、デザインは変わった。VTECが当初発表したデザインでは、先頭車両にひらがなで「あずま」と記されていたが、LNERは「AZUMA」と先頭車両の前面と側面に記し、ひらがな表記はなくなった。

カラーリングも変更され、日本の伝統を意識したのか、運転席横の小窓の周りに塗られた黒と銀色の縁取りは歌舞伎の「隈取り」を想起させる。窓の周りを赤く塗装した側面も、どこか旧国鉄時代の特急列車の雰囲気を感じずにはいられない。

LNERは、「あずま」をロンドンとイングランド北部やスコットランド各地を結ぶ優等列車に使用する計画だ。営業運転開始時点では、全線が電化区間のロンドン―リーズ(イングランド北部)間で1日1往復のみの運行だが、今後は週に1編成のペースで導入していく予定。スコットランドへの乗り入れは今夏後半となる見込みだ。来年中ごろには全65編成が日立からLNERへ引き渡される予定だという。

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