シックスパッドのMTG「不適切会計」疑いで窮地 第3者委員会を設置して中国子会社を調査

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――これまでも監査法人から承認がおりる前に決算を発表していたのか。今回、急いで発表する理由は何かあったのか。

前回は発表日前にはOKが出ていた。今回は決算発表日を5月10日で設定して株主にもメディアの方にも周知し、会場設定もしていたのでそのまま発表した。監査法人からヒアリングを受けた担当役員(中島常務)から「大丈夫だ」と聞いていたのでその認識で会見をした。

――社長は今回の問題を認識していた?

私が聞いたのは決算発表日の5月10日の発表途中。ここまでの具体的な話はなかったが、「監査はおりていませんが、大丈夫です」しかなかった。

まだまだ甘いガバナンス体制

――なぜ中国で急に会計処理が変わったのか。

会社全体では売上が前年より下がっているということは認識している。なぜ取引先からの支払い方法が変わったのかはこれからの調査になる。

――上場して日が浅いが、根深い問題があるのでは。

上場して1年経っていない状態で業績を下方修正して株主にはたいへんなご迷惑、ご心配をかけている中で、さらにこのようなご心配をかける形になった。この10年間で社員数が100人から1500人と大幅に増えた。さらにグローバルの拠点も増えた。

そんな中でも管理体制には力を入れてきたつもりだが、このようなことが起こるということはまだまだガバナンスを含め管理体制が甘いという認識だ。私の経営責任においては一刻も早くこの状況を解決し、V字復活を果たしていくしかないと思っている。たいへん申し訳ないと思っている。

――第三者委員会の調査結果によっては、今後の戦略に変更が生じる可能性があるか。

7~8月くらいから来年にかけて新商品、新ブランドを継続的にリリース予定だ。今のところは計画通りいけるだろうと思っている。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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