「社会人留学」で大失敗する人と成功する人の差 ネットで調べるのも便利だが落とし穴もある

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ただ、実際の現地の授業は想像以上に大変でした。クラスの8割くらいはオーストラリア人で留学生はSさんのように社会人経験のある人がさまざまな国から来ていたそうです。

中でもとくに興味深かったのはロールプレイのクラスだったといいます。クライアントにとって画期的な提案を立案するというお題で、2カ月間ほどかけて、予算や先方のニーズにあったプランをチームでコミュニケーションを取りながら進めていきます。

メンバーと英語でやり取りするのはもちろん、時には口論になったり調整したりしながらプランを完成させ最後のプレゼンテーションも評価されたことで自信がついたそうです。

1年間の留学を経て、念願の東京の大手旅行会社に就職が決まり、初年度からは難しいと言われるマーケティングの部門に配属が決まったというSさん。

事前の情報収集に圧倒的な差が

今回のAさんとSさんの最大の違いは何だったのでしょうか。

2人とも現状の仕事環境をバージョンアップさせたいという点では共通していたのですが、出発前の情報収集ではっきりと明暗が分かれてしまいました。

Aさんが活用したアプリやインターネット検索はとても便利で、留学の情報収集でも有効性は高まっています。ただ、ある程度のベースとなる知識がないと、Aさんのように現地で後悔することになりかねません。

費用がかかったとしても、Sさんのようにプロの留学カウンセラーやコンサルタントに相談することでリスクを減らすことはできますし、留学の効果を最大化しやすいと言えます。

例えばビジネスで海外進出しようとしている場合、ネットだけで現地の物件や手続きを進めるでしょうか。現地を視察するか、現地情報に詳しい人に頼るでしょう。留学も同じことが当てはまりますので、ご注意ください。

筆者注:近年では、(ワーキングホリデー・学生・電子ビザ*など)ビザの取得もオンライン化が進み非常に便利な反面、公的機関と似た作りの擬似サイトも増加しており、多数の被害報告を聞きますのでくれぐれもご注意ください。
※とくにオーストラリア、アメリカ、カナダの電子ビザの擬似サイトは巧妙です。
大川 彰一 留学ソムリエ 代表取締役

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おおかわ しょういち / Shoichi Okawa

日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。

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