続けざまに本採用を拒まれたこともあり、自分は発達障害なのではないかと疑った。半年ほど心療内科に通ったが、確定診断を受けることはなかったという。
その後、飲料水の自販機補充の仕事に就いた。パート社員で、毎月の手取り額は16万円ほど。「体を動かすルーチンワークは性に合っていました。休憩時間もあるし、残業代も付く。きつい仕事でしたが、言われているほどブラックじゃなかった」とシンヤさん。
しかし、次第に補充時の時刻記載や、指差し確認といった業務が追加されるようになった。補充ミスを防ぐための作業だと頭ではわかっていたが、「僕がミスしたわけじゃないのに……。作業は増えたのに、給料は上がらないことも不満でした」。ストレスからか、突発的な頭痛にも悩まされるようになり、結局、6年近く続けた仕事を辞めた。
自分は会社勤めには向いていないのではないか……。起業サークルと出合ったのは、ちょうど、そんなふうに思い始めたころでもあった。
シンヤさんはこの起業サークルに入会。ここ1年は週2回、セミナーに通い、「スモールビジネスの基礎やWebマーケティングの知識、フリーランスとしてのマインドセット」を学んでいるという。入会金は約20万円、セミナー参加料は1回800円。
「入会前に『本気の人しか、成功はできない。フリーランスとして食べていけるのは、(会員の)1、2割』と、ちゃんと説明してくれた。信頼できるサークルです」
さまざまな媒体が集まるスモールビジネス
スモールビジネスとは、文字どおり「小規模ビジネス」のこと。例えば、ネット上にサイトを作り、企業の商品を紹介してマージンを得るアフィリエイトや、動画の再生回数などに応じて広告料を得るユーチューバーなどがそれにあたる。
アフィリエイトビジネスや動画再生回数の伸ばし方などのノウハウを販売するコンサルティング業なども小規模ビジネスのひとつで、シンヤさんは「超ニッチな商品を作ってブログやツイッターで発信するんです。(起業サークル内には)好きなものを食べてやせるダイエット法とか、恋愛成就法といったノウハウの販売や、コーディネート代行ビジネスなどで利益を上げている人もいます」と言う。
シンヤさん自身は、ゲームの実況動画を毎日欠かさずにネットに投稿。セミナーで得た知識を生かし、総再生時間などを6倍に増やしたという。広告料を得られる仕組みをつくっていないので、実際の収入はゼロだが、「今後、起業するときの実績になる」という。
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