消費増税前に慌てて不動産を買うと損をする 「税率10%適用後」のほうがかえっておトク?

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不動産を購入するに当たって、確認したい要因は、大きく外的要因と内的要因に分けられます。

消費税率や景気の動向による物件価格の変動などは、外的要因といえ、ほとんど自分でコントロールできるものではありません。

一方、内的要因は自分の健康状態や転職状況、家族構成や貯蓄のペースなど、自分に紐付くオリジナル要因のことを指します。内的要因の中には自分でコントロールしづらいものもありますが、同じ家族構成であっても4LDKを選ぶか、3LDKを選ぶかなどは自分で判断を下せる部分といえます。

増税前の駆け込みよりも「適切なタイミング」が重要

どのエリア、どの路線にどのくらいの広さの物件を選ぶか、各家庭の経済状況などと照らし合わせて予算を検討することなどは、自分で決めることができます。路線が変わったり間取りが変わることで、あっという間に500万~1000万円程度価格が変わることもありますね。また、どれだけお買い得な市況であったとしても、転職をしたばかりなど自分のオリジナルの理由で住宅ローンを借りにくく、物件が買えないこともあります。

このように考えると、上記のようなケースでも消費税率の影響で建物への税金が50万円上がることや、制度利用で30万円有利になるかもしれないことの影響よりも、自分にとって適切なタイミングで無理なく支払える予算を決めて物件を探すことのほうが、金銭的にも満足度でも影響が大きいことがわかります。

さらに1点、制度面で金額の影響が大きいものとしては、親や祖父母などから住宅取得のための贈与を受ける場合の非課税枠の変更です。2020年3月31日までの取得については、消費税8%の場合は700万円まで、消費税10%の場合は2500万円までの贈与を非課税で受けることができます(省エネ等住宅ではそれぞれさらに500万円上乗せ)。

住宅取得において、援助があることが前提となっていて、その金額もできるだけ多くと考えていた家庭にとっては影響が大きいかもしれません。

とはいえ、やはりニーズに合わない物件を選んでしまうことがないようにするのが第一です。まずは、なぜ物件を購入する必要があるのか、購入の動機を満たすためにはどんな仕様の物件である必要があるのかなどを整理して、落ち着いて判断することを目指したいですね。

風呂内 亜矢 ファイナンシャルプランナー

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ふろうち あや / Aya Furouchi

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。大手電機メーカー系Slerに勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買い。それをきっかけにおカネの勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有。2013年、FPとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信。著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)などがある。筆者サイト

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