ケビン・ターナー マイクロソフトCOO(最高執行責任者)

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ケビン・ターナー マイクロソフトCOO(最高執行責任者)

ウォルマートでは29歳で史上最年少の役員に就任するなど、立志伝中の人。マイクロソフトでも“ウォルマート流”の改革を実践する。
(『週刊東洋経済』4月21日号)

日本市場で成功するにはパートナーシップが重要

1:パソコンメーカーなどからは1月30日発売のウィンドウズ・ビスタの売れ行きについて、期待外れとの厳しい声が聞かれます。

 発売直後最初の1カ月で2000万本売れました。これは、前のバージョン「ウィンドウズXP」と比べ2倍のペースです。当時とは市場規模が違いますが、好調といえると思います。もちろん、いろいろな見方があるのはわかっていますが、まだ出荷し始めたばかりです。これからを見守ってください。

2:COOに就任して20カ月が経過しました。マイクロソフトはどのような会社ですか。

 マイクロソフトは191カ国で販売し90以上の子会社を持っているが、どこの地域の子会社も優秀なことに驚かされます。特に日本法人は優秀だと思います。

 ビル(ゲイツ会長)とスティーブ(バルマーCEO)から、「一緒に世の中を変えていこう」と誘われて入社しましたが、まさにそれを実践している。信じられないようなことを世界中でやっている会社です。

3:グーグルなどとの比較で、マイクロソフトは革新的ではない、成長が鈍化している、との指摘があります。

 マイクロソフトは研究開発に年間70億ドル投資している。このような巨額の投資を行っているテクノロジー企業はほかにありません。「将来はあらゆる業務がオンラインサービスになる」「すべての企業がITをアウトソーシングする」などの極端な予想が好まれますが、実際はそうはならない。お客さんの希望に応じて技術を組み合わせることができるのが、マイクロソフトの強みです。

4:ところで、ウォルマートには約20年勤めていますが、その間に学んだこととは?

 幸運にも創業者のサム・ウォルトンから直々に多くのことを学ぶことができました。その中から二つ挙げれば、「企業にとって最も重要な経営資源は人材である」「決して満足してはならない」ということです。今、マイクロソフトでは「ピープル・レディ・ビジネス(社員力を経営力に)」というキャッチフレーズを掲げたキャンペーンを世界中で展開しています。これは、まさにサムから学んだことの実践です。

5:日本市場についてどのような印象を持っていますか。

 成功のためには、地元企業との強いパートナーシップが求められる市場です。ウォルマートは西友と組んで日本市場に参入しました。マイクロソフトにとっても、販売会社などとのパートナーシップが極めて重要。日本法人のCOOに就任した樋口泰行氏の下で、パートナーシップ強化を進めていきます。

(撮影:梅谷秀司)

Kevin Turner
1985年、イーストセントラル大学在学中にウォルマートのレジ係として入社。その後、CIO(最高情報責任者)などを歴任。2005年9月マイクロソフトCOOに就任。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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