通勤電車としての「新幹線」、混雑・本数実力診断 速度と快適性は在来線を圧倒、そのほかは…

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新幹線での通学に補助金を出している例もある。東海道新幹線の三島駅が最寄りとなる長泉町(静岡県)では、町内から東京などの大学に通う学生に対して月額最大2万円の通学定期代を補助している。大学進学をきっかけに首都圏に転出する学生を減らすのが狙いだ。

こうした自治体側の積極的な取り組みもあって、新幹線定期の利用者は開業時よりも増えている。JR東海によれば、東海道新幹線の2017年度における1日平均の定期券利用者は東京駅が6146人。JR東海が発足した1987年度の同1177人から6倍近く増えた。また、2017年度における品川駅の1日平均の定期券利用者は3716人。東京・品川駅を合わせて1日に約1万人が沿線各駅から東海道新幹線を使って通勤・通学している。

東北新幹線では那須塩原駅の1日平均の定期券利用者は1059人。これは駅全体の3375人の3割に相当する。小山駅や本庄早稲田駅は、定期券利用者の人数が定期外利用者を上回る。

混雑率は非公表だが…

では、新幹線を通勤電車として考えると、どのような実力があるのだろうか。

まずは混雑率。通勤時の新幹線の混雑率は公表されていないが、東海道新幹線で通勤している人に聞くと、在来線の通勤ラッシュ時間帯の自由席は満席だという。

ただ、JR東海によると、東海道新幹線では平日午前9時までに新横浜駅を発車する新横浜―品川・東京間の列車に限って、自由席券を持つ乗客は空いている指定席に座れる。自由席に座れなかった人は指定席に移動するので、まったく座れないという人はあまりいないようだ。

東京駅に停車する東北新幹線E5系と上越新幹線E4系(撮影:尾形文繁)

東北新幹線の利用者に話を聞くと、那須塩原駅の発車時点では空席が目立ち、通路側の席が埋まっていることはほとんどないという状態。宇都宮駅では大人数の行列が列車を待っており、小山駅から乗車する人も合わせると、3列シートの真ん中くらいしか空いていないという。でも、席の場所にこだわらなければ座れるといってよい。

そう考えると、混雑率という点では在来線の主要32路線と比較してもかなり低いといえそうだ。

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