月額3000円の「飲み放題コーヒー」が儲かるわけ 「外食サブスクモデル」に可能性はあるか
ところが、想定以上に利用回数が多いとなると、気になるのは「この仕組みで儲けることができるのかどうか」である。3000円で22杯となると、単純計算で1杯当たりの売り上げは136円。一般的なカフェチェーンは最低でも1杯200円で販売しており、それと比較してもかなり安く提供している計算になる。
ましてや、コーヒー・マフィアは仕入れ値が高いシングルオリジンコーヒーの豆を使用する。当然のごとく、家賃などの店舗運営費やスタッフの人件費といったコストも生じる。
儲けの秘訣はスマートフォンでの会員登録にある。顧客はオンライン登録するため、店側には会員の年齢や性別、来店時刻などのデータが蓄積される。
狙いは効率的運営と「ついで買い」
大手の飲食チェーンでは楽天ポイントやTポイントなどの共通ポイントを利用し、顧客データを分析・活用しているところも多いが、その提示については顧客の任意だ。中小の飲食店にいたっては、顧客データをまともに蓄積できていない店がほとんどだろう。一方で、コーヒー・マフィアは顧客の購買行動をかなり正確に把握できる。
蓄積したデータを分析して、飲み物やフード、組み合わせメニューの開発に活用する。売れ筋商品や顧客の来店ピークが正確に予測できることもあり、廃棄や品切れといったロスもほとんどない。
また、毎日のように利用する「常連客」が多いため、スタッフは顧客の顔を覚え、自然にコミュニケーションが生まれる。そうなると「新しい商品はいかがですか」などと声を掛けることで、追加購入を促進できる。
つまり、サブスクサービスでのコーヒー販売は来店頻度が高すぎると利益が圧迫されるように見えるが、逆にデータ蓄積やコミュニケーションの向上により効率的な運営と「ついで買い」の商機を生むことができる、というわけだ。
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